連続テレビ小説「あまちゃん」52回「おらの大失恋」

北三陸駅

「ユイちゃん!」

福田「たった今 改札がオープンしました! お座敷列車の 乗車券をゲットした ラッキーなお客様が 我先にと 列車に乗り込んでいます! 押さないで!」

観光協会

池田「あ~あ 発車まで あと10分しかないわ! どうする? 誰か助っ人呼ぶ?」

功「いや ホント申し訳ない 菅原君。 6時にはね 車に乗せて 駅まで送ってったから もう てっきり着いてると思って。」

池田「まさか ドタキャンするとはねえ。」

よしえ「そういう無責任な事を する子じゃないんです。」

大吉「来た!?」

池田「来ないよ!」

大吉「どうする? 発車準備 整っちゃったけど やめる?」

吉田「やめるて? 駅長 落ち着いて。」

大吉「何かもうさ あんなに人が 集まってくれたらさ 何か やめても いいがなっていうか 走っても 走んなくても お祭りじゃん ハハハ!」

吉田「完全の 躁状態ですね。」

菅原「黒字は確定してるいるからね。 黒字ハイだね。」

栗原「やめだら チケット払い戻しですよ。」

大吉「なぬ?」

吉田「そご 何なんだ さっきから クネクネして あんだ誰?」

トシちゃん似の男「田原俊彦です!」

吉田「あ? 何 言ってるか 全然分かんねえ!」

北三陸駅

福田「あ 来ました! 北三陸名物の ウニ丼が! たった今 到着しました! さあ 私も中に 入り込んでみたいと思います。 さあ 暖簾を開けると。」

(歓声)

福田「皆さん おはようございま~す! はい! え~ こちら かなり早くから 2人を 追いかけてきたという アイドル研究家の え~ 地響さん。」

ヒビキ「惜しい! 地は要らない。 あとね 厳密に言うと 追いかけてたのは ユイちゃんだけ。 俺 ユイちゃん推しだから。」

(歓声)

喫茶・リアス

春子「電話してる。」

大吉「あ…。」

アキ「駄目 出ない。」

春子「どうするアキ! もう少し 待ってみる? それとも もう 中止にしてもらう?」

大吉「何なら 春ちゃんが 代わりに 乗ってくれてもいいんだけどな。」

春子「この期に及んで 何 適当な事 言ってんのよ。」

アキ「来るよ ユイちゃん。 だって約束したもん。 それまで なんとか一人で頑張る。」

(電話の着信)

アキ「もしもし ユイちゃん?」

ユイ☎『アキちゃん。』

アキ「んだ アキだよ。 今どこ?」

ユイ☎『ごめん。』

アキ「いいよ 謝んなくて。 大丈夫か?」

ユイ☎『うん。」

アキ「ねえ こっち来ない? おいでよ! みんな集まってるよ。」

ユイ☎『アキちゃん びっくりしないで聞いてね。『じぇじぇ』とか言わないで。 あと周りの人に 聞こえないように 気を付けて。 スカウトの人がいるの 間違いかもしれないんだけど 芸能事務所のスカウトの人がいるの。 聞いちゃったの昨日。 その人が電話で 私たち2人の話してたの。』

アキ「何だって?」

ユイ☎『2人ともキャラはいいけど 歌唱力が問題だ」って。』

アキ「ちなみに誰?」

ユイ☎『勉さん。』

アキ「じぇじぇ!」

勉「え? 何 何?」

ユイ☎『その弟子の 水口さん いるでしょう?」

アキ「うん。」

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