連続テレビ小説「あまちゃん」54回「おらの大失恋」

<そのころ ユイは>

北三陸駅

ユイ「ありがとうございます。」

「サイン 下さい!」

「サイン お願いします!」

「ありがとうございます。」

ユイ「ありがとうございます。」

「握手 お願いします!」

ユイ「あ… ありがとうございます。」

回想

水口「一応 席はキープして ありますんで 太巻さんにも そうお伝え下さい。」

回想終了

天野家

アキ「ふとまき?」

ユイ「そう この人。」

アキ「『芸能プロダクション【ハートフル】代表取締役 荒巻太一氏。 昨年は アイドルグループ アメ横女学園芸能コースを 世に送り出し 自ら作詞したデビュー曲 【涙目セプテンバー】は 60万枚のセールスを記録』」

アキ「『セカンドシングル【空回りオクトーバー】の カップリング【肌寒いノーベンバー】は ドラマの主題歌にもんなり【暦の上ではディセンバー】で 初のミリオンを達成…』。」

ユイ「全部読むの? 全部読まなくても ピンとくるでしょ?」

アキ「何が?」

ユイ「水口さんが なぜ 太巻さんの 名前を口にしたのか。」

アキ「分がんねえ。」

ユイ「スカウトマンだからよ!」

アキ「スカウトマン?」

ユイ「そう。 荒巻太一の事務所は社員 私たちをスカウトしに来たのよ。」

アキ「いやいや。 あの人は 勉さんの弟子の 琥珀マニアだべ。」

ユイ「その設定自体が 怪しいじゃん。」

アキ「勉さんの?」

ユイ「勉さんは 琥珀掘ってりゃいいのよ。 水口さんよ。 私たちに近づくために 勉さんを利用したんじゃない?」

アキ「エヘヘ! そんなバカな。」

ユイ「あの人 こんなふうにも 言ってたよ。『まあ 2人ともキャラはいいので 問題は歌ですね 歌唱力が』。」

アキ「そりゃ怪しすぎっぺ!」

ユイ「でしょでしょ? どうする?」

アキ「どうもしねえ。」

ユイ「え?」

アキ「もし水口さんが スカウトマンだとしても おらには 関係ねえ。」

ユイ「そっか。 お座敷列車で 引退したんだもんね。」

アキ「海女は続ける。 今年の夏は 海女に専念する。」

ユイ「もったいないと 思わない?」

アキ「もともと おら 芸能界だの アイドルだの興味ねえがら。 でも。」

ユイ「何?」

アキ「楽しかったな!」

回想

♬『来てよ その火を 飛び越えて』

<それは アキにとっても すてきな思い出でした。 歌って踊って 拍手と歓声に包まれた事 全てひっくるめて 忘れられない出来事でした>

回想終了

♬『波打ち際のマーメイド 早生まれの マーメイド』

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