足立家
功「あ~ 明日から 3人か。 ハハハッ。」
よしえ「2人よ。 ヒロシ君も帰り遅いもんね。」
ヒロシ「お前どうすんの? 御飯とか。」
ユイ「朝と夜は 寮で食べれるみたい。」
功「無理すんなよ。 つらければ 帰ってくればいいんだから。 まあ もっともね ヒロシみたいに 2か月で帰ってこられても 困るけどな。 ハハハッ。」
よしえ「もういいじゃない。 頑張ってんだから。」
功「ごちそうさま。」
よしえ「あら もういいの?」
功「何か 頭 痛くて。」
ユイ「お父さん。 お母さん それから お兄ちゃん。 長い間 お世話になりました。」
ヒロシ「頑張れよ。」
よしえ「無理しないでね。」
功「ハッハッハッ。」
天野家
<アキとユイが東京へ発つ朝が やって来ました>
アキ「おはよう!」
春子「おはよう。 すぐ できるから 座って待ってて。」
アキ「は~い!」
夏「アキ ここさ座れ。 餞別だ。」
夏「この先 つれえ事があったら こいつで涙拭け。 そんで 思い出せ。 寒い朝 浜さ出て 潜った時の事。 あれより つれえ事は まず ねえがら。」
アキ「夏ばっぱ…。」
夏「今でねえ バカ。 東京さ行ってからだ。」
アキ「…ごめん。」
夏「じいちゃんさ線香あげろ。」
夏「ワカメが ねえな。」
春子「シジミじゃ駄目? 冷蔵庫の奥の方に入ってるでしょ。」
アキ「見送り 来てくれるよね。」
春子「大吉さんと一緒に駅まで行く。」
アキ「ばっぱは?」
春子「フフフッ どうだろうな。 湿っぽいの嫌いだからね 夏さんは。」
アキ「えっ さっきまで いだのに。」
春子「え? アハハッ 海だね。」