北三陸駅
吉田「ほれ 仙台がら新幹線の切符。 ユイちゃんの分も。 無くすなよ。」
大吉「帰りの切符も持ってくか?」
アキ「要らねえ。」
大吉「要らねえと 吉田! もう アキちゃんの心は 都会の絵の具の染まってるど!」
吉田「あ~!」
春子「何? うるさいね。」
かつ枝「アキ~!」
アキ「かつ枝さん!」
春子「あ~ 来た 来た!」
アキ「弥生さん 美寿々さん 花巻さん いいの? 浜は?」
美寿々「ちょっとぐれえ いいべ。 今日は アキちゃんの門出だ。」
弥生「1年前と全然違う。 おめえは 北の海女の精神ば 受け継いだんだから! 胸張って 堂々とやれ! 負けんなよ アキ!」
アキ「う… 痛(いて)っ! 弥生さん 痛え!」
弥生「よし ミサンガ結んでやっからな!」
アキ「痛え 痛え! 血が止まる! 痛っ!」
弥生「力の加減など できねえべ。」
アキ「痛っ!」