連続テレビ小説「あまちゃん」82回「おら、大女優の付き人になる」

控室

鈴鹿「ねえ これ 文字 大きく したいんだけど どうやんの?」

アキ「あ やります。」

<服装は すごく地味っていうか 黒しか着ません>

鈴鹿「ダサいと思ってんの?」

アキ「いや そんな事ねえです。 さっき おすぎさんが 同じの着て 廊下歩いてましたけど 全然違いました。」

鈴鹿「それ どっち褒めてんの?」

アキ「あ…。 え~と 鈴鹿さんです。」

鈴鹿「ねえ GMT(テー)ってさ。」

<Tを『テー』て言うし>

鈴鹿「CD(デー) 出してんの?」

<Dを『デー』と言うし>

鈴鹿「『とぅ~す』って何? はやってんの?」

<知らない事いっぱいあるし>

鈴鹿「9時以降は 何にも食べないの。」

<同じ話を何度もするし>

鈴鹿「やだ! おみそ汁に お砂糖いれちゃった。 甘い!」

<こんな感じなのに 一たび カメラの前に立つと>

『静御前』撮影スタジオ

鈴鹿『なまじ 生き長らえて悩むより 一緒に連れていって下さい』。

<完璧です こんなの見せられたら 多少の無知や わがままなんか 気にならない>

<夜7時以降は 奈落でレッスン>

東京EDOシアター
奈落

♬『男子禁制 選手宣誓 毎日会いたい 下町アイドル We are GMT6!! You are GMT6!!』

しおり「OK!」

種市「どうも! 無頼鮨です。」

アキ「あ 先輩!」

種市「鈴鹿さんから GMT6の皆さんにって。」

(歓声)

喜屋武「いいの? アーキー!」

(歓声)

小野寺「写メ撮っていいか?」

しおり「いいよ 撮んな。」

種市「天野 鈴鹿さん 無頼鮨で 待ってるって。」

アキ「あ 分がった!」

無頼鮨

<レッスンが終わったら 反省会です>

鈴鹿「ちゃんと見てた? 赤ん坊を 取り上げられる時にさ 着物の裾なんか 気にしてられないでしょ! だから直さなかったのよ。」

アキ「はい。」

鈴鹿「全身で芝居してるんです こっちは。 なのに あの監督 アップばっかり ねらって ちゃんちゃら おかしい! 清常役のさ 何つったっけ名前? あの大根役者 大根でいいか 何の深みもないのよね。」

<9時過ぎると 鈴鹿さんは攻撃的になります>

鈴鹿「いいのよ反論して 思った事は 何でも言いなさい。」

アキ「いいのか?」

鈴鹿「どうぞ。 足 崩しなさい」

アキ「鈴鹿さんて あれですよね。」

鈴鹿「な~に?」

アキ「根っから お芝居が 好ぎなんだなあと思って。 お芝居の話してる時は 生き生きしてるもんね。 つ~か お芝居の話しか しねもんね。」

鈴鹿「何よそれ まるで私が ほかに取り柄のない 面白みのない 人間みたいじゃない?」

アキ「面白みは ねえべ。」

鈴鹿「あるわよ。」

アキ「いや ねえべ!」

鈴鹿「あります! こう見えて 多趣味なんです。」

アキ「またまた!」

鈴鹿「本当よ! セーター編んだり お菓子作ったり クッキー焼いたり。」

アキ「いや 鈴鹿さんは 芝居だけやってりゃ いいど思う。 趣味どか 面白みどか 要らねえと思う。」

鈴鹿「ごちそうさま!」

アキ「え?」

鈴鹿「タクシー来てる?」

種市「あ はい!」

アキ「ごめんなさい。 何か 失礼な事 言いましたか?」

鈴鹿「ウフフ! 失礼な事しか 言ってないよ。」

アキ「すいません 一つ聞いていいですか?」

鈴鹿「何?」

アキ「何で おらなんだべ?」

鈴鹿「うん?」

アキ「何で おらに 優しくしてくれんだべ?」

鈴鹿「昔の私みたいだからよ。 じゃあね。」

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