喜屋武「その人 仕事 何してるの?」
アユミ「調理師。 新宿の忍者居酒屋で バイトしよる。」
水口「フフッ…。 あっ 失礼。」
アユミ「好きなんよ。 結婚してもいいって思っとる。 いつか 徳島帰って 2人で お店やろうって 話しよんよ。 ほなけん ずっと悩んどって…。」
荒巻「だったら 辞めなよ ガール! 辞めちまえ!」
アキ「じぇじぇ!」
真奈「何ね これ。 社長 ニューヨークじゃなかと?」
荒巻「あんなものは録画だ。 もっと言えば 合成だ。 僕は すし屋にいた。」
喜屋武「はあ~ だまされた。」
荒巻「恋愛御法度は 君たちを 縛りつけるためのルールではない。 若くて 可能性を秘めた君たちに 考える きっかけを与えてるんだ。 アイドルとして ストイックに生きるか 彼氏と ズブズブの恋愛に溺れるか。 専ら ズブズブの方だろ?」
アユミ「はい。」
荒巻「『はい』って言われちゃった。 ハハッ。 ね? 健康な女子ほど 恋がしたい。 そんな分かりやすい感情を 抑圧して ステージに立つ。 それが アイドルだ。 選ばれた一握りの人間の業だ。 ねっ 海女ちゃん?」
アキ「はい。」
荒巻「『はい』じゃない! 今日 現場で NG40回出したんだって?」
種市「じぇじぇ! マジか…。」
荒巻「マジですよ! 逆に才能だよ。 40通りのNG出すなんて。」
アキ「すいません。 次は必ず…。」
荒巻「次なんか ないよ! 君には これから いい事なんて 何もない。 答えが出たんだ。 君を必要とする人間は ここには いない。」
荒巻「君たちも ちゃんと落ち込め! 若さに ごまかされるんじゃないぞ!」
一同「はい。」
まごころ第2女子寮
アユミ「ありがとう。」
喜屋武「ねえねえ ねえねえ! みんなで写真撮ろう。」
真奈「いいね 撮ろう 撮ろう。」
喜屋武「すいません 写真撮ってもらっても いいですか?」
「いいですよ。」
喜屋武「ごめんなさい。」
「せ~の!」
一同「GMT!」
(シャッター音)
喜屋武「ありがとうございます。」
<アユミさんは合宿所を出て 彼氏と暮らす事になりました>
アユミ「お世話になりました。」
しおり「借りができたけどさ お礼は言わない。」
アユミ「うん。」
しおり「天下取ったらさ ありがとうって言うからさ。」
アユミ「応援しよるけん。 みんなもな! ほなな。」
東京EDOシアター
<小野寺ちゃんは アメ女のレギュラーに大抜てき。 でも 春に お母さんが上京するまでは 合宿所で暮らします>
<佐賀の真奈ちゃんは リザーブに昇格。 年越しライブにも出演します。 でも 貯金がたまるまでは 合宿所暮らし。 沖縄の喜屋武ちゃんとリーダー そして アメ女のトップだった マメりんなどが奈落組>
水口「(ため息)」
<そして おらは 奈落に落とされ フェードアウトした アメ女の子に代わって なんとか 40位に滑り込みました。 うれしいとか ホッとしたというより こうなる事を期待していた自分に 腹が立ちました。 そして 太巻(ふとまき)さんの言葉>
回想
荒巻「君を必要とする人間は ここには いない。」
回想終了
<耳から離れませんでした>
東京EDOシアター
アキ「あっ 真奈ちゃん 小野寺ちゃん!」
<そして 大晦日 奈落は年越しライブの控え室になり おらたち GMTは 追い出され…。 しおりさんは 実家に帰りました。 独りぼっちで年を越す おらを気遣って 喜屋武ちゃんは寮さ残ってくれて>