まごころ第2女子寮
アキ「ごめんな 喜屋武ちゃん。」
喜屋武「別にいいよ。 だって 往復の飛行機代 もったいないさ~ね。 …ってか アーキー 世田谷の実家には行かんの?」
アキ「世田谷は… 実家であって 実家じゃねえ。」
喜屋武「ふ~ん。」
種市「ごめんください!」
アキ「種市先輩!?」
種市「いや~ 迷った 迷った。 これ 食べて。」
アキ「じぇじぇ! なして?」
種市「うちの大将が届けろって。」
喜屋武「は? あのキモい板さん?」
種市「2人だけで さみしい思いしてるだろうって。 えっ 大将 キモい?」
喜屋武「あっ はい。 何か 質感が ハブっぽいっていうか 目つきとか 動きとか ハブ系ですよね あれ。 頂きます。」
種市「どうぞ どうぞ。 じゃあ。」
アキ「先輩 いつ帰るの?」
種市「それが 年明け 宴会入って 帰れなくなった。 頑張っぺ! 俺が言えた義理じゃねえけど このタイミングで 田舎さ帰ったら 負けだもんな。」
アキ「うん ありがとう。」
種市「おう。」
夜
アキ「あっ 小野寺ちゃん いる!」
喜屋武「嘘 どこにいる? どこ?」
アキ「ほれ これ。 そうでしょ?」
喜屋武「はっ?」
アキ「違う?」
♬~(『暦の上ではディセンバー』)
アキ♬『忙しい』
♬『町は慌ただしい だけど 虚(むな)しい そこは デリカシー 果てしなく ラララ 貪欲 貪欲 クリスマスを過ごす相手と あてどなく ラララ 暗躍 暗躍 お正月まで 一緒にいたくない』
アキ「出だがったなあ…。」
喜屋武「アキ ウニ食べない?」
アキ「えっ いいのか?」
喜屋武「いいよ。 苦手だわけさ。 はい。 そのかわりに カッパ頂戴!」
アキ「いいよ 全然いいよ! はい。」
喜屋武「ありがとう! おいしいね。」
アキ「うん!」
<その日のウニの味は 何だか 特別 身に沁みました>