連続テレビ小説「あまちゃん」96回「おらのママに歴史あり 2」

荒巻「『イカ天』ブーム 来ちゃったね! どう? 春ちゃんも バンドやってみる? ねえ。」

春子「田舎に帰ります。 お世話になりました。」

荒巻「もうちょっと やってみないか? 君には恩がある。 君のおかげで 出世ができた。 もちろん 才能も認めている。 このまま埋もれさせてしまうのは 惜しい。 せめて あと1年。 せめて 携帯電話が もう少しコンパクトになるまで! 頼む!」

春子「だったら お願いがあります。」

荒巻「何 何?」

春子「『潮騒のメモリー』を 歌わせて下さい。」

荒巻「え?」

春子「私のデビュー曲です。 もう一度 あの歌を歌わせて下さい。 今度は 自分の名前で。」

荒巻「それは カバーするって事なの?」

春子「もともとは 私が歌って…。」

荒巻「世間は そう取らないよ。 リバイバルだと思うよ。 鈴鹿ひろ美の知名度に 頼るって事なんだよ それは。」

春子「そんなの分かってます。」

手紙・春子『そんなの分かってる。 だけど ママは それほど追い込まれていた。 その事を 太巻さんに 知ってほしかったのです』。

太巻「がっかりだな! 君には プライドってものがないの?『潮騒のメモリー』歌えば ヒットするよ。 そりゃ当たるよ。 けどさ それ なしでしょ! 禁じ手じゃん。 それをやらないために あらゆる…。」

(テーブルをたたく音)

春子「プライドなんて あるに決まってるじゃない! なかったら とっくに諦めてます! プライドあるから このままじゃ 終われないから! 今日まで あんたの言う事 聞いてきたんです! バカにしないでよ!」

甲斐「おい!」

ウエイトレス「ありがとうございました。」

甲斐「春ちゃん!」

(ドアベル)

手紙・春子『それ以来 太巻さんとは 会っていません』。

手紙・春子『その日 私は荷物をまとめて 東京を出ました』。

春子「上野まで。」

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