その日は 喜多一に典男の家族を招いて にぎやかな ひとときを過ごしました。
典男「うわ~ うまそうだな! フフフ。」
まさ「はい。」
浩二「ただいま~!」
まさ「あっ お帰り!」
裕一「浩二だ。 お帰り~!」
浩二「誰か来てんの?」
裕一「うん!」
典男「あっ!」
浩二「ありゃ… 何で?」
裕一「えっ? 知り合いなの?」
浩二「いつも散髪してもらってる床屋のご主人。」
裕一「え~! ハハハハハ!」
まさ「召し上がれ。」
多美子「はい 明男。 食べ。」
裕一「あ~ よかったね。」
鉄男「酒 好きか?」
明男「うん 好きだ。」
裕一「う~ん このイワシ おいしいね!」
まさ「それ 三上さんから頂いたのよ~。」
明男「あっ 兄ちゃんも イワシ 好きだったよな?」
鉄男「よく覚えてんな。」
裕一「へえ~!」
典男「あっ 俺の分 やるよ!」
鉄男「ううん。 いいから いいから いいから。」
典男「子どもの時は いっつも 兄ちゃんの分 分けてくれたろ。」
鉄男「いや 気持ちだけ受け取っとくよ。」
典男「遠慮すんなよ。」
明男「じゃあ 俺 食べる!」
鉄男「あ~ そうだ そうだ。 明男 食え食え…。 いっぱい いっぱい食べて。」
典男「いいのか?」
鉄男「いや 俺が いっぱい食ったって しょうがねえだろ。」
裕一「浩二も食うか?」
浩二「いや いいって。」
裕一「一個くらい あげるよ。」
浩二「いいって。」
裕一「一個でいいんだよ。」
浩二「要らねえって! 兄ちゃんが食えよ。」