古山家
(電話の呼び鈴)
音「はいはい はいはい…。 はい 古山でございます。」
喜多一
裕一「あ~ もしもし 音? 僕。」
音「☎『裕一さん?』」
裕一「ごめん。 あんねえ しばらく帰れそうにないんだ。 浩二に頼まれてね こっちの農業会の仕事 引き受けることになったの。」
古山家
音「しばらくって いつまで?」
裕一「☎『ちょっと まだ分かんないな。 ねえ そっち変わりない? 華 どうしてる?」
音「元気ですよ。 全然 相手してくれないけど。 お義母さんたちは?」
喜多一
裕一「フフッ 元気してるよ。」
浩二「兄ちゃん もう行くよ。 早く!」
裕一「はい。 ごめん。 じゃあ行かなきゃいけないからさ また連絡すんね。」
古山家
音「ちょ… 裕一さん!」
音「ねえ… ねえ 華。 私たちも福島行かない? 華も 久しぶりに おばあちゃんに会いたいでしょ?」
華「行けないよ。 学校あるんだから。」
音「ん~…。(ため息)つまんないわ…。 う~ん。(腰の骨を鳴らす音)あっ…。」