庭
鉄男「よいしょ~! アハハ。」
明男「うわ~!」
典男「アハハ!」
鉄男「おじちゃんの勝ち~。」
典男「あ~あ。」
明男「あ~。」
鉄男「もっと強い腰…。」
典男「武男 おめえ さっきから何書いてんだ?」
武男「ないしょ!」
典男「何だ ないしょって。」
浩二「ないしょだもんな。」
武男「うん。」
浩二「アハハハ…。」
まさ「ねえ 甘いもん食べる? 鉄男さんの東京土産。」
明男「食べる!
鉄男「あ~。」
明男「ねえ 鉄男おじちゃん 東京って どんなとこ?」
鉄男「んだな… ひと言じゃいえねえけど 面白えとこだ。」
明男「今度 遊びに行っていい?」
鉄男「もちろん! いろんなとこ連れてってやる。」
明男「約束ね!」
鉄男「おう 約束 約束。」
(笑い声)
武男「あっ 今 何時?」
浩二「あ~ 6時過ぎ。」
明男「あ~あ『さくらんぼ大将』終わっちったよ。」
まさ「えっ?『さくらんぼ大将』聞いてくれてんの?」
明男「♬『さくらんぼ 隠れん坊 さくらんぼ 紅い頬ぺた さくらんぼ大将』」
鉄男「その歌 このおじさん 作ったんだ。」
明男「え~!?」
多美子「えっ そうだったんですか! 家族で欠かさず聞いてんです。」
裕一「ありがとうございます。」
典男「僕も大好きです。」
裕一「え~!」
典男「孤児だった六郎太が 街さ出て いろんな人に出会ってくでしょう。 自分と ちっと重ねたりして…。」
裕一「あ~ そうですか。 フフッ。」
明男「ねえ 六郎太が どうなっか知ってんの?」
裕一「もちろん知ってるよ。 でも ないしょ~。」
武男「え~ 教えて!」
明男『ねえ 教えて 教えて!」
裕一「え~? じゃあ じゃあ じゃあ 特別だよ? 最後は… みんなで一緒に幸せになる!」
明男「え~? もっと詳しく…。」
裕一「え~? 駄目だよ~。」
コロンブスレコード
鉄男「自分の過去を引きずりながらも…。」
東京に戻った鉄男は 映画の主題歌を書き上げました。
「分かりました。 優しさと力強さが 共存した感じですか?」
鉄男「そうなんですよ!」
その後も『東京だョおっ母さん』などの 家族をテーマにしたヒット曲を 世に残すことになるのです。