病院
病室
音「どうぞ。」
アキラ「ありがとうございます。」
裕一にバレないために 昼は 音が張り付き 当たり障りのない会話に終始するよう 努めました
音「おいしいでしょ? もうね カリッカリで 中は ほら ふわふわなんですよ ほら。」
裕一「ねえ…。」
音「わ~ おいしそう! 頂きま~す。」
裕一とアキラ 2人きりの夜は 仮病作戦で乗り切ることにしました。
アキラ「(せきこみ)」
裕一「夜になると 急にせきこむね。 大丈夫? 誰か呼ぼうか?」
アキラ「(せきこみ)」
古山家
華の部屋
華「空ぜきし過ぎて 喉がガラガラだって。」
音「そんなにやらなくていいのに。」
華「やり始めると ひたむきなんだ。 リハビリでも 弱音は初めだけ あとは 一人で黙々とやってた。」
音「そう…。 まっ 明日 無事退院して きちんと もう一回 お父さんに紹介しましょう。 お父さんには お母さんがうまく言っておくから。」
華「ありがとう。」
音「うん。 お風呂 入りなさい。」
華「はい。」
病院
病室
裕一「うん… やっぱり 味が薄いね~。」
アキラ「だんだん慣れてきますよ。」
裕一「僕の妻はね 八丁みそを扱う土地の生まれでね 初めは違和感だったけど だんだん慣れてくるもんだよね。」
アキラ「すてきな奥様です。 元気で 明るくて 若々しくて。」
裕一「ありがとう。 霧島君 独身?」
アキラ「はい。」
裕一「うん… いい人に出会えるといいね。」
アキラ「はい。」
そして
華「退院おめでとうございます。」
(拍手)
アキラ「皆さんのおかげで ステージに復帰できます。 ありがとうございます!」
裕一「ステージ?」
音「あっ… 白鳥が…。」
「えっ?」