聖マリア園
保「出来てるね~。」
恵「うん 美しい!」
アキラの父「華さん 何かあったら すぐ言ってこいよ。 アキラに 一発やってやっから。」
根来「ご来賓の皆様 お席にお着き下さい。 正直 デビュー前に 所帯持ちのボーカルって 人気の面で少々不安ですが 華さんにあって 納得です。 俺らは 音楽で勝負します。 アキラ おめでとう!」
(拍手)
根来「ワン ツー… ワン ツー!」
アキラ「♬『しけた話なら おとといにしろよ 熱いフロアから ビートを響かせ イカしたあの子は 洒落たステップに夢中 朝まで踊ろよ Shake shake shake ! Shake it, baby 全部忘れて 踊り明かそう 皮肉や気取った スカした奴らも かかと鳴らせば ビートに合わせて ブルーなあの子の 頬が薔薇色に染まれば 気分は最高 Shake shake shake ! Shake it, baby なりふり構わず 踊り明かそう』」
(拍手)
アキラ「ありがとうございます。それでは ここで華さんのお父さん 裕一さんに ひと言 頂きましょう。」
裕一「え~…。 華は うちの寝室で生まれました。」
回想
裕一「音 頑張れ…。」
音「ああ~!」
妻の音の『ギャ~!』という絶叫のあと…。
(産声)
小さな泣き声が聞こえてきました。
うれしくて いとおしくて 初めて抱いた 手の感触は 今でも鮮明に覚えてます。
裕一「あの日から今日まで 本当に あっという間でした。 親として 娘が旅立つ この日を 心待ちにしなきゃいけないはずなのに…。 たまらなく寂しい。」
裕一「父さんは 華が娘で幸せでした。 ありがとう 華。 おめでとう。」
華「ありがとう。」
(拍手)
裕一「じゃあ どうも… すいません。」
音「フフフ。」
裕一「よいしょ。 アハハハ…。」
音「アハハ。」
裕一「おめでとう。」
(拍手)
古山家
裕一「はあ… 俺たちの人生も終わりに近づいたな。」
音「そうですか? 私は まだある気がしますけど。」
裕一「フフフ… やっぱり 音はいいな。」
音「フフフ…。」