古山家
居間
華「急にごめん。」
音「おはよう。」
華「大きな事故みたい。 泊まりになるかも。」
音「いいの。 楽しいんだからね。」
華「助かる。 いい子でね。」
音「行ってらっしゃい。」
華「行ってきます。」
裕太「行ってらっしゃい。」
華「は~い。」
音「裕太のおもちゃは この中? 見せて。」
裕一「フフフ…。」
音「あれ? どこ行ったかな?」
裕一「裕太…。」
音「忘れ物?」
華「お父さん お客さん。」
裕一「んっ…。」
玄関
酒井「朝早くから突然の訪問 失礼します。 今日 正式決定が下りまして 居ても立っても居られず 来ました。」
裕一「はい。 え… えっと…?」
酒井「あっ…。 日本政府を代表して参りました。 先生に 東京オリンピックの オープニング曲を書いて頂きたい。」
裕一「はっ? えっ…? す… すいません あの… も も… もう一度 お願いします。」
酒井「(せきばらい)東京オリンピックの開会式を飾る オープニング曲をお願いしたい。」
裕一「えっ?」
音「裕一さん…。」
裕一「えっ?」
華「お父さん。」
酒井「いかがでしょうか?」
裕一「や… やります。 や… やらせて頂きます!」
音「おめでとう~!」
裕一の仕事場
(ノック)
音「お茶 お持ちしました。」
裕一「ありがとう。」
幸せに包まれた古山家でしたが…。
音「こちら 置いておきますね。」
裕一「うん。」
一向にオリンピックの曲を書かない裕一に 音は焦りを感じていました。
音「大福です。」