古山家周辺の屋台
音「鳥肌まで立っちゃった。 すごかったね。」
裕一「うん… 話には聞いてたけど 実際 体験すっと全く違った。」
音「何だろね? 知らん人同士なのに 一体感が生まれた時の あの興奮って。」
裕一「あれこそ こう 奮い立つってことなのかな?」
音「うん!」
裕一「うん!」
音「フフッ。 裕一さんが また音楽に向き合ってくれて 私 うれしかった。 フフッ。」
裕一「本当にありがとう。 音のこと… もっと… フフ…。」
音「うん? 何?」
裕一「うん? おいしいよ これ。」
音「えっ 何? 言ってよ~。」
裕一「いや…。」
音「何?」
裕一「音のことが もっと好きになった。」
そこに応援部がやってくる
田中「先生~!」
裕一「お~団長! おめでとう!」
田中「いや 先生のおかげです!」
裕一「いや もう 僕は全然 何もしてないです。」
田中「何ば言いようとですか フフッ。 選手たちも 力になったち 口々に言っとりました。 静まり返った学校が 大騒ぎになっとうそうです。」
裕一「えっ?」
田中「早稲田ば救ったのは先生です。」
裕一「救われたのは僕の方です。 おかげで 目 覚めました。」
田中「そげんですか。 何か よく分からんですが 先生のお力になれたとなら 何よりです。」
裕一「いや…。」
小熊「さすが 団長です! 大好きですよ 団長! 団長~!」
田中「やめえ やめえ…!」
田中「あっ… それでは… 全く曲が採用されん先生に…。」
裕一「うん?」
田中「エールば 送りたかと思います。」
裕一「えっ? えっ?」
田中「いくばい!」
一同「はい!」
田中「フレ~! フレ~! こ や ま~! それ~! はい!」
一同「フレ フレ 古山! フレ フレ 古山!」
裕一「ありがとう。」
田中「それでは 最後に お2人に エールば込めて…。 歌います『紺碧の空』! はい!」
一同「♬『紺碧の空 仰ぐ日綸 光輝あまねき 伝統のもと すぐりし精鋭 闘志は燃えて 理想の王座を 占むる者われ等 早稲田 早稲田 覇者 覇者 早稲田』。」
一同「♬ 『青春の時 望む栄光 威力敵無き 精華の誇 見よこの陣頭 歓喜あふれて 理想の王座を占むる者 われ等 早稲田 早稲田 覇者 覇者 早稲田』。」
まだレコードを1枚も出していない22歳の無名作曲家が作った 第六応援歌『紺碧の空』は 程なく 早稲田の第一応援歌へと昇格し 現在もなお 力を与え続けています。
小山田の仕事場
事務局長「申し訳ございませんでした!」
小山田「それはもういいって言ってるだろう。」
事務局長「初戦で監禁され 既成事実となってしまったため そのあと 取り消すことができませんでした。」
事務局長「今後は 先生の歌を優先的に使用する旨 指導いたしますので どうか ご了承を!」
小山田「それはもういいって言ってるだろう!」
古山家
音「こっち?」
裕一「逆 逆… うんうん。 あっ いいね フフフ。」
音「慶應のお礼は 銀の食器だったらしいよ。」
裕一「僕は こっちの方が好きだな。 フフフ。」