連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第112話「鬼太郎ブームがはじまった」

客間

船山「実は この曲のお陰で テレビ化の企画が ぐっと進展を見せました。」

茂「おう そうですか!」

船山「前から辺りをつけていた テレビ局に デモテープを持っていったんです。 『番組の主題歌は もう出来てます』とね。」

茂「はい。」

船山「向こうも乗ってきましたよ。 編成部長から 号令が かかって スポンサーを探しに動き始めました。 ところが… 壁にぶつかりました。」

茂「えっ?」

船山「墓場が いけないようです。 『縁起が悪い』と言って どうしても スポンサーが見つからない。」

茂「う~ん…。」

豊川「そこで ご相談なんですが…。 思い切って タイトルを変えませんか?」

茂「えっ タイトルを変える?」

豊川「墓場を やめましょう!」

茂「どれも パッとせんですなあ。」

豊川「少し時間を置いてみますか。」

茂「ええ。」

藍子「♬『ゲッ ゲッ ゲゲゲのゲー (藍子の鼻歌)』」

豊川「そういえば 漫画の中でも 虫達が よく ゲゲゲって 歌ってますよねえ。 これ 何ですかねえ?」

茂「何って…。 鬼太郎の活躍を たたえる歌ですよ。」

豊川「あ いや それが 何で ゲゲゲなのかなあと…。」

茂「これは 自分の事です。」

豊川 船山「え~?」

茂「子供の頃 茂と言えなくて ゲゲルと言っとったんですよ。 それが 今では 昔なじみも 『ゲゲ』と呼ぶようになって…。」

(船山の笑い声)

豊川「それだ!」

茂「え?」

豊川「『ゲゲゲの鬼太郎』。 これで どうです?!」

船山「『ゲゲゲの鬼太郎』?」

布美枝「『ゲゲゲの鬼太郎』…。」

茂「ああ… ええですなあ。 これで いきましょう!」

船山「ああ 決まりですね。」

<あの『ゲゲゲの鬼太郎』という 題名には 『茂の鬼太郎』という 隠された意味が あったのでした>

布美枝「『ゲゲゲの鬼太郎』か…。」

<そして その夜の事…>

玄関

(ノック)

布美枝「どなたですか?」

深沢「深沢です。」

布美枝「深沢さん? どうしたんですか その恰好?! あっ! だ 大丈夫ですか? お父ちゃん! お父ちゃん 大変!」

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