連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第116話「妖怪いそがし」

両親の部屋

♬~(レコード)

修平「(鼻歌)」

絹代「うっ! ううっ! やっぱり 胸がせついわ。」

喜子「どうしたの?」

絹代「何でもないよ。」

♬~(レコード)

絹代「あなた 私 この頃 どうも心臓が…。」

修平「おう~ 来月は 『切られ与三(よさ)』か…。 これは どげでも 見に行かんといかんな…。 落語も ええなあ。 久々に 演芸場に行くか。 おい さっきの草餅 もうないか? ん?」

絹代「あなたは もう!」

修平「何だ?」

絹代「私は 心臓が悪いんですよ。」

修平「心臓? 何の話だ?」

絹代「とにかく これ 膨らましてごしなさい。」

修平「うん。 ああ…。」

絹代「それから 晩ご飯の支度 お願いします。」

修平「飯の支度?」

絹代「私は 心臓が悪いですけん。」

修平「ふっ!」

子供部屋

回想

女子1「村井さん 絵が上手だけど お父さんが漫画家だったら 当たり前だね。」

男子1「うちの母ちゃん 言ってたぞ 水木しげるの漫画は 嘘ばっかりだって。 妖怪とか お化けは 本当には いないんだからな。」

回想終了

藍子「やっぱり お母ちゃんに 相談しようかなあ。 あ~あ 宿題も さっぱり 分かんない。」

(風船の破裂する音)

藍子「うあっ?!」

台所

(藍子と喜子の声)

布美枝「何しとるんだろ?」

子供部屋

藍子「喜子のバカ!」

喜子「お姉ちゃんのバカ!」

布美枝「あんた達 下まで 声が聞こえとるよ。 藍子も いい加減にしなさい!」

藍子「だって よっちゃんが いたずらするんだもの。 ほら! こんなになっちゃって!」

布美枝「あら?」

喜子「自分で破いたんでしょ。」

藍子「あんたが 風船 割るからだよ!」

(喜子の泣き声)

布美枝「藍子 いい加減にしなさい! 4つも下の子と 本気で けんかする事ないでしょう。 お姉ちゃんなんだけん。」

藍子「お母ちゃんは あっち 行ってて!」

布美枝「藍子…。」

<布美枝は この時 まだ 藍子の抱える胸の痛みに 気づいていませんでした>

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