連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第117話「妖怪いそがし」

客間

布美枝「藍子 どげしたんでしょうね。 いつも 聞き分けのいい子が 一緒に デパートに行きたくないなんて。 お父ちゃんと出かけるの 喜んでると思っとったのに…。」

茂「(いびき)」

布美枝「疲れとるねえ…。」

乾物屋

布美枝「こんにちは~。」

(笑い声)

山田家

布美枝「お父さん…。」

修平「よお。」

靖代「今ね おじいちゃんに 昔の話 聞いてたところなのよ。」

布美枝「昔の話?」

徳子「大学 出てるんだってね。 インテリだわ~。」

修平「学生時代には 芝居小屋や 寄席へ よう通ったもんです。」

一同「う~ん。」

修平「ところが 田舎に戻ってみたら 映画館一つない。 そこで ひらめいたのが 自分で映画館をやる事ですわ。」

靖代「で うまくいったんです?」

修平「はらもう 町の人々には 大いに 喜ばれ 感謝されたもんですよ。」

一同「へ~。」

修平「しかし… もう少しで 大成功というところで 一大事が起こりました。 盗まれたんですわ。」

徳子「何をですか?」

修平「映写機です。」

一同「映写機?!」

修平「なかなか 高価なものでした。」

一同「あら~。」

修平「映画館は パア。 残ったのは 借金だらけ…。」

靖代「それで どうなったんです?」

修平「この続きは また 明日という事で。」

靖代「嫌だ~ もうっ。」

修平「私 そろそろ 買い物して 帰りますわ。」

和枝「ね ね ねえ おじいちゃん おばあちゃんに こき使われてるんだって?」

布美枝「え?」

徳子「買い物までさせられて かわいそう。」

靖代「お宅のおばあちゃん 強烈だもんね。 ほら なんだっけ あの… 名字帯刀?」

徳子「う~ん。」

回想

絹代「やせても枯れても 名字帯刀御免の家柄ですけん!」

回想終了

布美枝「お父さん そんな事まで話しておるんだ…。」

和枝「おじいちゃん 元気 出して下さいね。 イリコ 100グラム おまけしといたから!」

修平「いつも すまんねえ。」

和枝「アハハハ… いいんですよ!」

布美枝「いつも…。 あ すいません。」

すずらん商店街

布美枝「すっかり 商店街に なじんでおられるんですね。 おまけまで してもらって。」

修平「買い物は ええ息抜きだ。 うちには ガミガミ言うのがおるけん 気が休まらん。」

布美枝「ふふっ。」

修平「茂の仕事は どげだ?」

布美枝「忙しいらしいです。 ろくに寝る暇もなくて。」

修平「あの寝坊な奴が よう そげに働くもんだ。」

布美枝「体 壊したら いけませんけん 仕事 減らしたら どげですかって 何度も頼んでみるんですけど 『黙っとれ』って 叱られてばっかりで…。 相談したい事があっても 話す時間もないですしねえ…。」

修平「ちょっと 寄り道していくか?」

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