連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第123話「戦争と楽園」

両親の部屋

絹江「この絵のとおりでしたわ。 あの晩 夢の中で 私は これと そっくりの光景を 見たんですよ。」

修平「茂 後で言ってとったな。 『この時ばかりは 覚悟を決めて 心の中で わしらに別れの挨拶をした』と…。」

絹代「それが 境港まで 届いたんですかねえ。」

回想

絹代「しげさんが危ない! お父さん お父さん! 起きなはい お父さん!」

修平「どげした?」

絹代「しげさんが やられる。」

修平「何を言っとるんだ!」

絹代「断がい絶壁に ぶら下がっとる。 敵に見つかったら やられる!」

修平「お前 夢でも見たか?」

絹代「夢なもんですか。 しげさんが死んでしまう!」

修平「よし。 名前を呼べ! 連れていかれんように呼び戻すぞ。」

絹代「はい! しげさ~ん しげさ~ん!」

修平「茂 茂~!」

絹代「しげさ~ん 生きて 戻れ~!」

修平「茂 死んだらいけんぞ!」

絹代「しげさ~ん しげさ~ん!」

修平「茂!」

絹代「生きて 戻れ~!」

修平「茂!」

絹代「しげさ~ん!」

修平「茂 死んだらいけんぞ!」

絹代「死ぬな~!」

修平「茂!」

絹代「死ぬな~! 死んだらいけん!」

修平「死んだらいけんぞ 茂!」

絹代「生きて~ 生きて戻れ しげさ~ん!」

修平「茂~! 茂 死んだらいけんぞ!」

絹代「しげさ~ん しげさ~ん!」

修平「茂!」

絹代「生きて 戻れ~!」

修平「茂!」

絹代「死ぬな~!」

修平「茂!」

絹代「しげさん しげさ~ん…。」

回想終了

茂の仕事部屋

茂「イトツとイカルが 俺を叫んどった。」

布美枝「声がしたんですか?」

茂「ああ。 後から聞いて 驚いた。 2人で 夜通し叫んどったそうだ。 敵は がけに ぶら下がった 俺の頭の上を 気づかずに 通り過ぎていったよ。」

布美枝「お母さん達の声が 守ってくれたんでしょうかね?」

茂「うん。 そげかもしれんな…。 だが それからが まだまだ 一難去って また一難だ。」

茂「敵方の部族に襲われて 一晩中 サンゴの海を 泳いで逃げとるうちに 体は 血だらけ 傷だらけだ。 闇に紛れて なんとか 上陸して 敵を振り切って へとへとになって ようやく眠ったところで…。」

回想

(蚊の飛ぶ音)

茂<今度は 蚊の大群の襲来で 翌朝は 目も 鼻も分からんほど 顔が ボコボコに腫れ上がっとった。>

回想終了

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