連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第133話「妖怪はどこへ消えた?」

台所

藍子「おじいちゃん ちょっと ボケてきたんじゃない?」

布美枝「まだ しっかりしとられるよ 年取ると 誰でも 妙な事に こだわるもんなの。」

藍子「ふ~ん。」

茂「あ~。」

藍子「おはよう。」

布美枝「随分 早いのねえ。」

茂「うん。 ゆうべ 早く寝たけん 腹が減って 目が覚めたわ。 朝から 何 騒いどるんだ?」

藍子「また おじいちゃんが カバン捜して。」

茂「ああ。」

布美枝「よっぽど大事な物でも 入っとるんでしょうかねえ?」

茂「うん… この間な あのカバンが 床に落ちとったんだ。 お父ちゃん うっかり踏んでしまってな…。 そげしたら イトツが遠くで 『痛い!』と叫んだ。」

2人「え!」

茂「あのカバンには イトツの寿命でも 入っとるんだろう。 ハハハハ!」

布美枝「もう 何 言っとるんですか。」

茂「ハハハ。」

藍子「大学 行ってきま~す。」

布美枝「行ってらっしゃい。」

茂「うん…。」

<漫画界の第一線に躍り出てから 15年ほどが過ぎ…>

茂「カバンの中に寿命か こりゃええな。 漫画に使えるぞ!」

<茂は ず~っと 仕事漬けの日々を 送っていました>

仕事部屋

茂の仕事部屋

(戸の開く音)

光男「兄貴。 先月 退職した中野君と 品川君の代わりの件だけど。」

茂「誰か決まったか?」

光男「新しく人を採るのは しばらく見合わせよう。」

茂「手が足らんだろう?」

光男「いや それが…。」

茂「ん?」

休憩室

光男「今月は 今描いとる 『月刊パイン』の連載1本だけだ。」

茂「『コミックジョーズ』の連載も 先月で終わったしなあ。」

光男「ああ。」

茂「読み切りの注文 来ておらんのか?」

光男「ああ どういうんだか 今年に入って 急に注文が減っとるんだ。 こんな事は初めてだよ。」

茂「う~ん 妙だな。 厄年は とうに済んどるが…。」

光男「雄玄社にでも 様子聞いてみるか?」

茂「あ~ そげな事は せんでええ。 この商売 多少の波は 付きもんだけん。」

光男「ああ。」

茂「まあ たまには ええわ。 お陰で徹夜せんで済んどる。 そもそも 今までが 人間の仕事量を超えとったんだ。」

光男「そりゃそうだな。」

茂「どうせ すぐに また忙しくなる。」

中庭

光男「布美枝さん。 こんなに仕事がないのは 水木プロ始まって以来だよ。」

布美枝「近頃 やけに早く寝ると思ったら それで…。」

光男「兄貴は 『心配いらん』と 言うんだが… 何か 思い当たる事でもないかね?」

布美枝「仕事のことは 分からんですけん。」

光男「しかし このまま 仕事が なくなったら…。 うう~ん…! 何か 考えなくちゃなあ。」

布美枝「はあ… ちょっと 大げさじゃないのかなあ?」

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