連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第136話「妖怪はどこへ消えた?」

茂「薄暗くなって 人の姿 形が ぼんやりしか見えんようになると。」

喜子「うん。」

茂「何かが おるような 気がしたもんだ。 歩いとると ふいに袖を引っ張られたり…。」

喜子「それ 知ってる。 『袖引き小僧』でしょ。 お父ちゃんの本で読んだ。」

茂「すれ違ったのが もののけのような気がしたり…。 けど 今は日が暮れても ずっと 明るいけん 妖怪も いつ現れたらええもんか 分からんのだろうなあ。」

喜子「そうだね。」

茂「妖怪の住みづらい世の中に なったもんだ。」

喜子「でもさ…。」

茂「ん?」

喜子「妖怪も住めない世の中は 人間だって住みにくいよね…。」

茂「これ食うか? さっき そこの茶屋で買ってきた。」

喜子「うん。 お父ちゃん。」

茂「何だ?」

喜子「妖怪 戻ってくるといいね。」

茂「ああ。」

水木家

玄関

布美枝「お帰りなさい!」

茂「おう。」

喜子「ただいま。」

布美枝「お帰り。」

戌井「お帰りなさい。」

茂「あ 戌井さん 来とったんですか!」

戌井「ええ。 お邪魔してます。」

休憩室

戌井「なかなか こちらの方に 出てくる機会がなくて すっかり ごぶさたしてました。」

茂「印刷業は うまく いっとるんですか?」

戌井「もうかりはしませんが 欲を出さなければ ボチボチやっていけます。」

茂「ああ それは ええ。 地道が一番です。」

戌井「しかしですねえ 水木さん。 人間というのは しかたがないもんですよ。 いや 『漫画バカ』は いや~ 『僕は』と言うべきかなあ。」

茂「え?」

戌井「北西文庫が失敗して しばらくは 漫画雑誌さえ見ないように 過ごしてたんです。 そしたら…。」

回想

早苗「これなら なんとかなるんじゃない?」

戌井「ん?」

早苗「締めるとこ締めて 経費節約でやってたら ちょっとは 余裕も出てきたから。」

戌井「お前…。」

早苗「やったら いいじゃないの 漫画の出版!」

戌井「また 赤字が出るぞ。」

早苗「日本一小さい出版社が出す 赤字なんて たかが知れてるもの! 経理は 私がしっかり見るから。 もうひと勝負 やってみてよ!」

回想終了

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