連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第13話「たった五日で花嫁に」

水木家

茂「どどどどん!」

(爆撃音)

茂「どどどどん! ドカ~ン! どどどどどん!」

絹代「しげさん!」

修平「茂!」

茂「父母の呼ぶ声がする…。 だが もはや 艦隊は最後…。」

絹代「しげさん! しっかりするだが!」

茂「しげさん… え? あれ? いつの間に…。」

修平「何べんも 玄関を叩いたがな。」

絹代「頭が どうか なったんだろうか?」

茂「集中しとって気づかんかったわ。」

修平「はあ…。」

絹代「へ…。」

茂「2人そろって 何かあったのか?」

2人「うん ああ。」

絹代「お前の好物だが!」

茂「ああっ 境港の芋か!」

絹代「うん!」

修平「ああ はっはっはっ。」

茂「う~ん! わざわざ 持ってきてくれんでも 送ってくれたら よかったのに。」

修平「何を言っちょる。 芋を届けに わざわざ 上京したりせん。 うん…。」

絹代「うん! これを ご覧。 いい子を 見つけてきたけん 今度こそ 嫁にしぇ!」

茂「え~っ!」

茂「あら~! あいにく 茶の葉が切れちょ~わ。 けど 俺 見合いどころで ねえわ。 仕事に追われちょ~けん あれ 明日までに描き上げて 届けにゃいかん。 それに 嫁をもらうのは まだ早いわ。」

絹代「茂さん! あんた 自分を幾つと思っとるの。 じき40でねか! 今 嫁取らんで いつ取るの!」

茂「だけん もうちっと 成功してから。」

絹代「去年も 一昨年も そう 言っちょったじゃねか! 芋ばっかり 食べてないで まじめに考えるだが!」

修平「まあ そう ガミガミ 言わんでえ。」

茂「嫁をもらったら 養っていかにゃ いけんだろうが。」

修平「何だ そげな事を! 昔から言うでねか。『一人口は食えないが 二人口は食える』。 1人ではできんやりくりも 結婚すれば なんとかなるという事だ。」

茂「どげな計算したら そういう理屈になるんかなあ…。」

絹代「計算は ええの!」

修平「ともかく 見合いはしぇ! 先方には『年明けには会わせる』と 言ってあるけんな。」

茂「ええっ!」

絹代「器量は そこそこだけど 昔風な おとなしげな娘だろうが。」

茂「写真だけでは 分からんなあ。」

絹代「年は ちっと くっとるけど その方が 少しぐらい苦労があっても 辛抱するけん。」

茂「あ! あ~ こげしてはおられん。 どげしても 漫画 仕上げにゃ ならんけん すまんけど この話は また。」

絹代「いや! 今回だけは 『うん』と言うまで 動かん!」

茂「ええ~っ!」

絹代「『見合いする』と言うまで 1週間でも 2週間でも 私は ここに おるけんね。」

茂「そげな事されたら 仕事ができん!」

絹代「2階に部屋が あるだけん。 2階に泊まるわ。」

茂「いや 部屋は あっても 布団が ないけん。」

修平「お前 この寒いのに 布団が ね~では 風邪ひくぞ。」

絹代「かまわんが。 茂が承諾するまで たとえ 風邪ひいても 寝込もうと この家は 出ん覚悟だけん!」

修平「茂! お前 なんとかしぇ!」

茂「う~ん…。 分かった。 する。 見合いは するけん 今日のところは 引き揚げてくれんか。」

絹代「決まった!」

茂「追い返すようで すまんな。」

修平「ああ 今夜は 雄一の所に泊まるわ。」

茂「兄貴のとこか。 ほんなら 近くまで送るわ。」

修平「道は分かるけん。 お前は 仕事しぇ。」

茂「そげか。」

絹代「しげさん。 見合いの時には 腕を つけてくるだよ。」

茂「相手には まだ 言っとらんのか?」

修平「伝えてはあるが 第一印象は大切だけん。 かの シェークスピアも言っとる。 『誠の恋をするものは 皆 一目惚れである』とな。」

絹代「いきなり 袖が プ~ラプラしとっては 向こうの気持ちが 引くかもしれんけんね。」

茂「分かった。」

絹代「仕事 気張らっしゃい!」

茂「うん。」

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