連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第144話「人生は活動写真のように」

布美枝「お父さん お父さん。 眠ったんですか?」

<それから 数日後 修平は ウトウトと眠りながら 枯れるように 静かに旅立っていったのです>

雄一「イトツ…。」

茂「つい さっき… 逝ってしまったわ。」

茂「おい… どげした?」

絹代「お父さん… この香りが好きだったんだわ。 好きなだけ使わせてやれば よかったねえ。 なんぼでも 使わせてやればよかった。 お父さん…。 60年も 一緒に おったのに…。 親よりも… 長く 一緒に おったのに…。」

布美枝「お母さん…。」

絹代「(泣き声)」

<そして 初七日の法要の日の事です>

客間

光男「俺 正直 言って 意外な気がしてな。」

雄一「俺もだ。 イカルが あんなに嘆き悲しむとはなあ。」

光男「きつい事を ポンポン言っとるようでも やっぱり夫婦だな。」

栄子「ええ。」

佐知子「私 不思議だったんだけど お父さん 亡くなった時 何で お母さん 香水かけたんだろ。」

雄一「あれなあ…。 布美枝さん 何か知っとるか?」

布美枝「よう分からんですけど… 何か してあげたかったんじゃ ないですかね。 お父さんの喜ぶ事 何か してあげたくて… それで。」

茂「そげかもしれんな。」

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