連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第146話「独立宣言」

亀田「偉い! 偉いねえ。 優等生ばかりが 居心地がいい 学校なんか間違ってるよ。 できない子にこそ光を! ねえ マスター!」

マスター「そのとおり! 私も 2と3ばっかりの口でしたから。 似た者同士 やった~!」

マスター「ハハハ!」

智美「でも お父さん 何で反対なの?」

藍子「会社の仕事 手伝わせたいらしい。 でも 私は お父ちゃんの世界に 閉じ込められたくないんだよね。 水木しげるの娘 って言われるのも 卒業したいし。」

浦木「その気持ち 分かるねえ。」

藍子「あれ? 浦木のおじさん!」

浦木「ちょっと見ぬ間に 別人のように 成長しとるな。」

亀田「この男 また いるよ。」

浦木「ゲゲのとこに 顔 出そうとしてたんだ。 葬式には 行けなかったが イトツに 線香の一本でも 手向けてやらんとな。」

智美「誰? この人。」

藍子「お父ちゃんの友達。」

浦木「友達? いやいや。 古いつきあいの 大親友だよ。」

藍子「そうかなあ。」

浦木「大親友の見立てによると     ゲゲは いまだに ガキ大将の気持ちでおるな。」

藍子「それ どういう事ですか?」

浦木「つまり 自分は ガキ大将で 家族は 配下の者 子分だと思っとる。」

藍子「子分だなんて思われたら 家族は いい迷惑ですよ。」

浦木「まあ 聞きなさい。 昔 子供の世界では ガキ大将は 総理大臣の次くらいに 偉かった。 腕力だけでは ガキ大将にはなれない。 知恵もいる。 まあ ゲゲの場合は 俺が 参謀として 助けてやったがな。 大将たるもの 配下の者のためには 時には 身を挺して 戦わねばならん。」

藍子「ええ。」

浦木「ゲゲは なかなか よう やっとった。 外交勢力によって 近隣ガキグループとの 無駄な争いを避け 小さい子供達が 楽しく遊べるように 工夫して うまい事 一個分隊を 統率しとったよ。」

藍子「それ よく言ってます。 『俺は 一個分隊を 養わねばならん』って。」

浦木「あいつは 頭が クラシックにできとるからな いまだに その発想なのよ。 家族も会社も 自分が率いていくのが みんなの幸せだと思っとる。」

智美「家族愛って事ですか?」

浦木「愛? 愛ねえ。 それにしちゃ 押しつけがましいが。 父親が ガキ大将だと 娘は 苦労するね。」

すずらん商店街

智美「あの人 ケチね。 コーヒーくらい おごってくれると思った。」

藍子「ほんと。」

回想

浦木「マスター お会計。 お会計は 別々で。」

2人「え?」

回想終了

智美「フフフ! じゃ 藍子ちゃん ガキ大将に負けずに頑張ってね。」

藍子「うん。」

浦木「香典 忘れたな。 まあ いいか。 大事なのは 気持ちだ。」

ミヤコ「イタタタ!」

浦木「え?」

源兵衛「大丈夫か?」

浦木「ありゃ 何だ?」

源兵衛「足か こりゃ困ったな。」

ミヤコ「ちょっこし 痛みだして。」

藍子「安来のおじいちゃん! どうしたの?」

源兵衛「おお 藍子か。 ええとこに!」

藍子「おばあちゃん 大丈夫?」

浦木「安来のおじいちゃん?」

源兵衛「あんた 何かや?」

藍子「この人 お父ちゃんの友達なの。」

浦木「どうも!」

ミヤコ「イタタタ!」

藍子「おばあちゃん 歩けそう?」

ミヤコ「じき ような~けん。」

藍子「通りまで出ないと 車 拾えないし。」

源兵衛「おい!」

浦木「え?」

源兵衛「背中 貸してくれ!」

浦木「何ですか?」

源兵衛「ええけん 早こと!」

浦木「あ~っ!」

水木家

玄関

布美枝「あ~っ どげしたの? 浦木さんまで? なして?」

浦木「どうもこうもありませんよ。 降ろしますよ。」

源兵衛「ゆっくり ゆっくり! 布美枝 喜子! しばらくぶりだの!」

<予定よりも早く 源兵衛とミヤコが 調布の家に現れました>

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