連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第33話「アシスタント一年生」

仕事部屋

茂「『惨めな戦争漫画は売れん』か…。(ため息)」

<戦争が終わって 16年。 この頃 少年雑誌では 戦記漫画が人気でした。 その多くは 戦闘機のパイロットや 海の戦士達の姿を 凛々しく描き 子供達を ワクワクさせるものでした>

<その一方 茂の描くものは 違っていました。 リアルな絵 険しい顔の登場人物達 悲惨な結末>

居間

(襖の開く音)

茂「金 出してくれ。」

布美枝「お金ですか? はい…。 幾らでしょう?」

茂「ちょっこし 使うぞ。」

布美枝「え?」

こみち書房

客「おばちゃん じゃあね~。」

田中家

美智子「寝てなきゃ ダメじゃない。」

政志「もう 大分 いい。」

美智子「会社には 『明日は 出ますから』って 言っときましたから。」

政志「ああ。」

美智子「何 読んでんの?」

政志「この漫画の戦争は 本物なんだよなあ。」

美智子「え?」

政志「惨めで どうしようもなくて…。 水木しげる か…。 こいつも 戦争で むごい目に遭ったクチかな…。 今どき そんな 暗い漫画 読む奴は いないわな。 は~っ。」

こみち書房

美智子「あ これだ! 水木しげる。 やっぱり 同じ漫画家だ…。」

キヨ「政志の奴 また 会社 休んでんだって?」

美智子「うん。 『風邪ひいた』って。」

キヨ「どうだかねえ。」

美智子「おばあちゃん…。」

キヨ「どこ 勤めたって 長続きしないんだよ。 今度も また 辞めなきゃいいけどね…。」

美智子「うん。」

キヨ「向こうから戻って… 13年だよ! いい加減 しゃっきり しないもんかねえ!」

美智子「うん。」

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