連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第6話「ふるさとは安来」

道中

布美枝「お母さんが お母さんが 死んでしまうだ!」

(鳥のさえずり)

布美枝「お母さん。 あっ! お母さんが 死んでしまう。 先生 どこ…? 田村先生 おらっしゃ~かね!」

村人1「あの子 どげしただ?」

村人2「どこの子だ?」

布美枝「田村先生 呼んでごしない。 お母さんが…。」

信夫「あれ? わ~は飯田さんとこの…。」

布美枝「あ…。」

信夫「その恰好… どごした?」

布美枝「田村先生 どこにおるの?! お母さんが お母さんが 死んでしまうが!」

信夫「わし 先生と先に行くぞ。」

うなずく布美枝

布美枝「お母さん。」

飯田家

<ミヤコの急な失神は 蜂に刺された ための ショック症状でした。 手当が遅れていれば 命が危なかったそうです>

登志「おかげさんで 命拾いしました。」

信夫「この子が 一生懸命に走ってきたけん 間に合ったんですわ。 遠いとこ 一人で よう走ったな。」

登志「ほんとに偉かったな。 ただ もう おかしなご縁でございますな。 破断になったものを また こげな事でお世話になるなんて。」

ユキエ「ただいま戻りました。」

登志「ユキエ…。」

布美枝「お姉ちゃん…。」

輝子「やっと 戻る気に なったけん 連れてきたわ。 お見合いの人 急に 断り言ってきたんだってねえ? こっちは 大騒ぎになっとった いうのに 勝手な話だわ。」

ユキエ「ほんね。 振り回されたこっちが ダラみたい。」

登志「あ…。」

ユキエ「どげしたの?」

信夫「ほんなら わしは こうで。 おっ母(か)さん 大事にさっしゃって。」

布美枝「あ あの…!」

ユキエ「今の どなたさん?」

登志「それが 横山さんなんだわ。 安田の…。」

2人「ええっ?!」

ユキエ「見合い断ってきた人が 何で ここにおるの?」

輝子「まさか もう一遍見合い申し込んできた訳じゃないでしょうね?」

ユキエ「嫌だ! ずうずうしい。」

輝子「それとも 言い訳でも しに来たんですか?」

登志「いやいや そうではなくて…。」

ユキエ「そげな人と見合いせんで ほんとによかったわ。」

布美枝「違うよ!」

ユキエ「何? 大声出して。」

布美枝「あの人 ええ人だよ!」

輝子「布美枝 何言うとるの?」

布美枝「私が頼んだんだよ。 姉ちゃんと見合いせんでって 私が 横山さんに言ったんだが。」

ユキエ「えっ?」

登志「何の話だ?」

布美枝「姉ちゃんに 戻ってほしかったけん。 見合いの話がなくなれば お父さんと仲直りできると 思ったけん… 見合い 断って下さいって あの人に言ったの。」

ユキエ「布美枝。」

布美枝「だけん ほんとは あの人 ちっとも悪くないの…。 ええ人なんだよ。 卵もくれた。 お母さんのために お医者さん おぶって走ってくれた。 私が 勝手に頼んだ事も 黙っててくれたよ…。 ええ人なのに… 私。」

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