連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第6話「ふるさとは安来」

道中

布美枝「横山さん! ごめんなさい! ひどい事 頼んで ごめんなさい。 嘘つかせて ごめんなさい。 本当に ごめんなさい!」

飯田家

寝室

ユキエ「ただいま戻りました。」

源兵衛「ああ…。」

ユキエ「看病 代わりますけん。」

源兵衛「ええ。 わしが見る。」

ユキエ「けど…。」

源兵衛「わしが 付いとる。 心配は いらん。」

ユキエ「お父さん すんませんでした。」

源兵衛「ああ…。 あんまり 勝手するなよ。」

ユキエ「はい。」

ミヤコ「お父さん。」

源兵衛「うん?」

ミヤコ「今 歌 歌ってました? 『安来節』。」

源兵衛「いや… 歌っちょらん。」

ミヤコ「ほんなら 夢でしょうか?」

源兵衛「お前の夢の事が わしに分かる訳ないが。」

ミヤコ「そげですね…。 お父さん。」

源兵衛「うん?」

ミヤコ「祝言の日に 私 初めて お父さんに会ったでしょ?」

源兵衛「ああ。」

ミヤコ「本当は あの晩 親の家に逃げて 帰ろうと思っとったですよ。 お父さんが 恐ろしくて 私が ず~っと黙ってたら お父さん 『安来節』 歌ってくれましたね。」

源兵衛「そげだったかな?」

源兵衛♬『名の出たところ』

源兵衛 ミヤコ♬『社日桜(しゃにちざくら) 十神山(とがみやま)』

ユキエ「驚いた。 2人で歌っちょ~な。」

布美枝「うん。 お父さん 付きっきりだね。」

ユキエ「うん。 お母さん あれで 結構 幸せなのかもしれんな…。 フミちゃん。」

布美枝「うん?」

ユキエ「だんだん。 あんたが うちにおってくれて よかった。 ほんとに助かったわ お父さんも お母さんも 私も…。」

布美枝「姉ちゃん…。」

(2人の笑い声)

<それから間もなく 横山さんと ユキエは 改めて 見合いをする事となり 慌ただしく 結婚が決まりました>

居間

源兵衛「娘の祝言に 紋付きも着れんとはな。」

ミヤコ「派手な事は いけんて 朝会からのお達しですけん。」

源兵衛「そげな事 言われんでも 分かっちょ~わ!」

ミヤコ「すみません。」

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