水木家
2階
布美枝「銀メダルが… 20個。 金メダルが… あれ 1個 足らん。」
居間
茂「お~っ 藍子 ええもん 下げとるな。」
布美枝「あ~っ 足らんと思ったら 藍子かあ。 私 小径書房に メダル届けてきますけん。」
茂「おう。」
布美枝「ほら 藍子 それ ちょうだい。」
茂「お気に入りのようだな。」
布美枝「子供には 人気あるんですよ。」
茂「ふ~ん。」
こみち書房
布美枝「賑わっとるなあ! 追加のメダル 持ってきました!」
美智子「ありがとう 助かるわ。 この間 作ってもらったのね もう 無くなるとこなの。 お陰でね 子供に引っ張られて 大人のお客さんも来てくれてるの。」
布美枝「よかった…。」
(靖代と徳子と和枝の笑い声)
靖代「あら 今日は 随分 込んでるのねえ。」
徳子「こんなの 久しぶりじゃない?」
和枝「あ 殊勲選手が来てる!」
布美枝「え?」
靖代「布美枝ちゃんのアイデアなんだって? このメダル作戦。」
美智子「そうなのよ。 今日もね また 作ってきてくれたとこなの。」
靖代「あんた やるじゃない。 お手柄 お手柄!」
布美枝「いいえ。」
和枝「私達も 手伝おうか? メダル作り。」
靖代「作り方 教えてくれたら やってみるけど?」
キヨ「チョチョチョ やめて やめて! あのね この人はね 手先が器用で やる事が丁寧だから 紙のメダルが 金にも 銀にも 見えるんだよ。 ちょっと あんた達 作ったらさ ブリキのメダルに見えちゃう。」
徳子「おばあちゃん ひどいよと 言いたいとこだけど それも そうだよ。 アハハハ…。」
キヨ「あ ちょっと 商売の邪魔しないでよ。」
徳子「はい すみませ~ん。」
<布美枝の提案したメダル作戦が 功を奏して こみち書房に 客足が戻ってきました>