連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第80話「旅立ちの青い空」

あらすじ

布美枝(松下奈緒)は、政志(光石研)が口にした人生をあきらめたかのような言葉にどきりとさせられる。文学に熱中する太一(鈴木裕樹)は、いつの間にか同人誌を作る仲間ができていた。茂(向井理)は、深沢(村上弘明)の雑誌「ゼタ」に作品を発表する。「ゼタ」には型破りな勢いがあり、戌井(梶原善)もその清新さに感嘆する。はるこ(南明奈)は漫画家としての成功を目指し、焦る気持ちを強めていた。

80話ネタバレ

水木家

居間

政志「好きな事に 裏切られるって事だってあんだぜ。」

<政志は 何か重いものを 胸に抱え込んでいるようでした>

布美枝「そうそう 太一君 美智子さん達が 心配しとったよ。」

太一「え?」

布美枝「不良になったんじゃないかって。」

太一「不良?! 俺が?」

布美枝「競馬場に行ったり ジャズ喫茶にも 通っとるって言っとったし。」

浦木「奥さん。 ジャズ喫茶なんて所は そう怖いもんじゃありませんよ。 貧乏そうな若者が 小難しい顔で レコードを聴いてとるだけです。」

茂「お前 行った事あるのか?」

浦木「おう。 近日中に はるこさんを お連れしようと思ってな。 ああいう場所に行くのも 漫画の参考になるだろうから。 それに アベックが行くのに ちょうどいい店があるんだよ。 照明が薄暗くてさ。 ヘヘヘ!」

布美枝「まあ!」

茂「おかしな事するなよ。」

太一「俺は そういうんじゃないです。 最近 仲間と一緒に 作ってるもんがあって。 その打ち合わせや何かで。」

布美枝「何 作っとるんですか?」

浦木「爆弾か?」

茂「お前 黙っとれ。」

太一「詩とか 短歌。」

茂「ほう あんた 詩を書くのか?」

太一「同人誌 出そうかって 仲間と相談してるんです。」

布美枝「そういう事だったんですか。」

太一「競馬は 寺山修司(てらやましゅうじ)って人が よく 競馬の事 書いてるもんだから 行ってみたくて。 ミーハーだな 俺。」

政志「寺山? そんな騎手いたか?」

浦木「さあ 予想屋かい?」

太一「いや…。」

布美枝「誰ですか?」

茂「分からん。」

<詩人で 劇作家の寺本修司も この頃は まだ 知る人ぞ知る存在でした>

太一「おばさんには 黙っといて下さい。」

布美枝「なして?」

太一「同人誌が出来たら 持っていって驚かせたいんで。」

布美枝「分かりました。 そういう事なら 秘密…。」

政志「言わねえよ。」

浦木「あ~ 嫌だ嫌だ。 詩だの同人誌だの 金のにおいが 全くしない。」

茂「お前 そればっかりだな。」

布美枝「そうだ。 サバのみそ煮の缶詰 あれ 開けましょうか?」

政志「おう!」

浦木「あるんじゃないですか。」

太一「寺山っていうのは 青森の人で 詩や短歌や ラジオドラマも書いてて。」

茂「そうか。」

<孤独を抱えていた太一にも いつの間にか 心を通わせる 仲間ができていました>

茂 布美枝「おう~!」

茂「できたな。」

布美枝「はい。」

茂「とうとう 雑誌に進出だ。」

布美枝「はい!」

茂「ここか。」

布美枝「あら?」

回想

浦木「はした金しかもらえねえ 貸本漫画なんか 描く奴の気が知れねえよ。」

回想終了

布美枝「浦木さんみたいな事 言っちょ~。」

茂「よう出来とる。」

戌井「ごめんくださ~い!」

布美枝「戌井さんです!」

玄関

戌井「どうも! ついに出ましたね 『月刊ゼタ』!」

布美枝「はい。」

戌井「これ お祝いです。」

布美枝「すいません!」

戌井「はい。」

布美枝「どうぞ!」

戌井「お邪魔します!」

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