連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第8話「ご縁の糸」

布美枝「野菜 もらってきたよ~。」

ミヤコ「はっ! あんた 何で おるの?! ユキエのとこで 晩ご飯 食べてくる 言うちょったが。」

布美枝「ああ! いろいろ もらったけん ご飯作ろう 思ったんだが いけんだった?」

ミヤコ「あ… 魚! 魚がないけん 前の魚八(うおはち)行ってくるけん。」

布美枝「ああ。 私 行ってくるよ。」

ミヤコ「ええけん!」

布美枝「変だわ~。」

源兵衛「おい ミヤコ! この着物 片づけてしまえ。 見合い用の着物を 残り物の反物で 縫ったのが いけんかったかもしれん。 布美枝には 先方には 決まった相手が おったと言うんだぞ。 断られた ほんとの訳は 言ったら いけんぞ。 布美枝が くよくよ するけんな。 背が高くて断られたとは 言うなよ! おい ミヤコ! ミヤコ! おい 聞こえとんのか? 返事しぇ。」

ミヤコ「はい 何ですか?」

源兵衛「はっ! お前 帰っとったんか?」

居間

源兵衛「古い和菓子屋だけん 客を見下ろすほど 背が高くては いけんと言うそうだ。 そげん言ってきたものは しかたがない。 この度の事は 忘れてしまえ。 ええな?」

布美枝「うん… 分かった。 もうええよ。 晩ご飯の支度 せんとね。」

ミヤコ「輝子が いけんがね。 釣り書きも交換せんうちから 調子のいい事 言うけん。」

夕食

布美枝「姉ちゃんとこの下の子 面白いよ。 生意気盛りいうのかな 何でも 兄ちゃんのまねするんだわ。」

ミヤコ「ほ~う! そげかね。」

布美枝「うん。 いずみ。 この間 言ってた マント 何色がええ? 今度 縫ってあげるわ。」

いずみ「何か ええ事あったの?」

布美枝「ん?」

いずみ「姉ちゃん 楽しそうだけん。」

(戸の開閉音)

貴司「ただいま!」

ミヤコ 登志「ああ お帰り!」

貴司「おう 安来の叔母ちゃん 来たか! 姉ちゃんの見合いの日 決まったかね? しかし『にしきや』に嫁に行ったら 毎日 和菓子 食えて ええよな! 姉ちゃん 食い過ぎんなよ! その背で太ったら 相撲取りになるけん。 釈迦ヶ嶽雲衛門(しゃかがだけくもえもん)…。」

源兵衛「だら! お前は 黙っとれ。 飯食え!」

布美枝「ええよ 貴司は 知らんのだけん。 お見合い せん事になったの。」

貴司「えっ…。」

布美枝「する前に 断られた 相撲取りで言ったら 不戦敗だわ。」

貴司「何で?」

布美枝「釣り書き見て 驚いたとね。 私が あんまり背が高いけんね。 女の のっぽは いけんね。」

ミヤコ「何 言うちょ~! ミス・ユニバースで 3位になった 伊藤絹子さん 見てみ! あの人 布美枝と同い年で 背も すら~っと 高いよ。」

貴司「八頭身美人 いうんだよな。 これからは 背が高い方が 世界に通用するぞ。」

布美枝「世界では よくても 安来では 通用せんが。」

安来洋裁学園

桜井「もう少し早く 言ってくれたら よかったのに。 助手になる人 昨日 決まってしまったわ。」

布美枝「あ そげですか?」

桜井「残念だけど。」

布美枝「ええです。 勝手言って すいませんでした。」

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