玄関前
吉太郎「醍醐さん!」
醍醐「あの… 本当に申し訳ありませんでした。 吉太郎さんのお立場も考えずに あんな事…。」
吉太郎「醍醐さん 話は 最後まで聞いて下さい。 こういう大事な事は 自分の性分として 女の醍醐さんに 言わせる訳にはいきません。 自分から言わせて下さい。 自分も あなたの事が好きであります!」
醍醐「あ… まさか…。」
吉太郎「いえ! 本当に 結婚してほしいと 思ってるのであります。」
醍醐「吉太郎さん…。」
花子「てっ…。」
吉太郎「ですが…。」
(拍手と歓声)
醍醐「ですが… 何ですか?」
吉太郎「ですが… 自分は 憲兵という立場上 独断で結婚する事は できません。 少し 時間を頂けませんか。」
醍醐「いくらでも待ちます。」
吉太郎「よかった…。 醍醐さんが武を選ばなんで 本当によかった…。」
醍醐「まあ。」
居間
英治「芝居なんか 打つ必要なかったみたいですね。」
花子「そうみたいね。」
かよ「てっ。 武! どうしたでえ?」
武「醍醐さ~ん… おらが 嫁にもれえたかっただ~…。」
花子「武… なにょう言ってるでえ! 醍醐さんと兄やんの思いが 通じ合って 筋書きどおりじゃんけ!」
武「ほれと これとは 違うじゃん… あ~…。」
<吉太郎と醍醐 幸せになれるといいですね。 泣くな 武。 ごきげんよう。 さようなら。>