連続テレビ小説「花子とアン」第120回「海にかかる虹」【第20週】

吉太郎「あの煮物は おいしかったです。」

醍醐「煮物… ですか。」

吉太郎「あと おかかが入った握り飯も うまかったです。」

醍醐「おむすび…。」

吉太郎「それから…。」

醍醐「ごめんなさい! 実は あのお弁当 女学校からのお友達の畠山さんに お手伝いをお願いして 煮物もおむすびも ほとんど 畠山さんが作って下さったんです。」

吉太郎「そうだったんですか…。」

醍醐「あっ でも 卵焼きだけは 私が作りました。」

吉太郎「てっ…。」

醍醐「卵焼きだけなんて 自慢できる事じゃないですよね。 お恥ずかしい…。」

吉太郎「あの卵焼きが 一番うまかったです。 見かけは よろしくなくありましたが 味は 一番うまかったであります。」

醍醐「ありがとうございます。」

吉太郎「いえ。」

かよ「何だ。 おらが何かしなんでも 2人とも いい感じじゃんけ。」

宮本家

縁側

蓮子「歩ちゃんも きっと お空の上で ご本を読んでる事でしょうね。」

純平「そうだね。」

蓮子「あなたが生まれてきた時の事 この間は ちゃんと答えられなくて ごめんなさい。 お母様は お父様と引き裂かれて 一人であなたを産んだのよ。 だから おばあ様も あなたが生まれた時の事を 知らないのよ。」

浪子「蓮子さん! 大変! 龍一 弁護士の仕事を放り出して また 演劇に 熱を上げてるみたいなの!」

村岡家

居間

(戸が開く音)

龍一「お待たせしました! 皆さん セリフは 覚えましたか?」

武「完璧じゃん。」

かよ「てっ! 武の台本 ボロボロじゃんけ。」

武「ほりゃあ 何べんも何べんも こぴっと読み込んできただから ボロボロにもなるさ。 何てったって 今日の主役は おらずら…。」

花子「武… 今日の主役は 醍醐さんなんだけど…。」

武「心配するな! この武様に任しとけし。」

醍醐「皆さん よろしくお願い致します。」

玄関

吉太郎「何でえ? 急用って。」

花子「と… と… とにかく早く上がって。」

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