連続テレビ小説「花子とアン」第124回「ラジオのおばさん誕生」【第21週】

黒沢「村岡先生の語り口が 親しみやすくて よいと 感想の手紙が来ています。 おおむね 好評ですよ。」

花子「そうですか。 うれしいです。 でも まだ ちっとも慣れなくて 緊張で毎日震えています。」

有馬「では ご自分で 原稿に 手を加える時間があったら 与えられた原稿を 正確に読む練習をなさって下さい。」

花子「あ… 申し訳ありません。」

漆原「まあ 結構じゃないですか。 今日も お願いしますね。」

<漆原部長は 本当は どう思っているのか いまひとつ 腹の中が分からない人です。>

黒沢「では スタジオでお待ちしています。 今日も よろしくお願いします。」

花子「お願いします。」

有馬「子ども向けとはいえ 『コドモの新聞』は ニュース番組です。 砕けた語り口というのは 私は いかがなものかと思います。」

<こちらは あからさまに 花子の事を快く思ってませんね。>

花子「お母ちゃま 今日も こぴっと ニュース読むわね。」

村岡家

台所

もも「すごい…。」

英治「ももさん。 どうしたんですか?」

もも「すいません。 お夕飯の支度でもと 思ったんですが 台所の使い方が分からなくて…。」

英治「それは 助かります。」

英治「ここを ひねると…。」

もも「わっ。 こんな簡単に火が…。」

英治「ガスで火がつく仕組みなんです。」

もも「ガス?」

英治「はい。 花子さんの火事の負担を なるべく減らして 翻訳や執筆の仕事に 専念してもらいたいので 思い切って ガスを引いたんです。」

もも「お姉やんは 幸せ者だな…。」

JOAK東京放送局

スタジオ

有馬「続きまして 『コドモの新聞』のコーナーです。 お伝えするのは 村岡花子先生です。」

花子「全国のお小さい方々 ごきげんよう。 これから 皆様方の新聞のお時間です。」

村岡家

居間

ラジオ・花子『チャップリンが 急に帰ってしまいました。 皆さん 活動写真の滑稽者で 世界一になったチャーリー・チャップリンが 先月の14日 ひょっこり 神戸へ着いて 大変な歓迎を受けながら 東京に来た事をご存じでしょう。 それから ちょうど20日目です。 泊まっていたホテルを ふらりと飛び出して 風のように東京の町を 自動車で乗り回したり 例のステッキを振り振り 散歩したり…』。

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