もも「私… お姉やんは ずっと 日の当たるところを歩いてきて 惨めな思いなんて した事ない人だと思い込んでた。 でも 違った。 私の知らないところで 悔しい思いも いっぱいして 涙も いっぱい流して…。 私… お姉やんが羨ましくて そんな事も分からなかった…。」
回想
漆原「貧しい家の出である あなたが 殊更に 『ごきげんよう』という言葉を 使いたい気持ちは分かります。 しかし 『ごきげんよう』が 似合う人間と似合わない人間が いるんですよ。」
花子「そうでしょうか。 人生は うまくいく時ばかりでは ありません。 どうか 全ての人たちが 明日も元気に 無事に 放送を聞けますようにという 祈りを込めて 番組を終わらせたいんです。」
花子「それでは 皆さん。 ごきげんよう。 さようなら。」
もも「ごきげんよう…。」
回想終了
もも「あの時 お姉やんの 『ごきげんよう』っていう言葉が ス~ッと心に入ってきて おらまで ここが温かくなった。 ほれなのに… ずっと 素直に謝らなんで ごめんなさい!」
花子「ううん…。 お姉やんこそ ももの気持ち 分かってやれなくて ごめんね。」
もも「お姉やん… おら もう これっぽっちも 自分を惨めだなんて 思っちゃいんよ。 旭さんみたいな優しい人に 出会えて お姉やんやお義兄さんに 祝福してもらって 美里も 元気に生まれてきてくれて…。 本当に… 今は毎日 旭さんの看病できて…。 本当に幸せ。 ほう思えたのは お姉やんのおかげだよ。」
花子「もも…。」
英治「ももさん。 美里ちゃんの事は 心配しなくていいから 旭君の看病 しっかりやってあげて下さい。」
もも「はい。 ありがとうございます…。」
花子「もも… 大丈夫よ。 旭さん きっと元気になるから。」
もも「ありがとう。」
<こうして ももは 美里を花子たちに託し 旭の療養先へ向かいました。 ごきげんよう。 さようなら。>