連続テレビ小説「花子とアン」第144回「生きている証」【第24週】

蓮子「さあ ごはんにしましょう。」

富士子「お鍋なんて何年ぶりかしら。 もっと よく見たいわ。」

純平「ああ 富士子。」

蓮子「これは?」

純平「ああ…。 大学の友人から もらってきたんだ。 今どき 珍しいだろ? ブドウ酒なんて。 さあ 頂こう!」

純平「お母様は もう飲まないんですか?」

蓮子「何だか 今日は 胸がいっぱいで…。 純平 召し上がれ。」

純平「はい。 ああ… うまい。」

蓮子「そのブドウ酒は 甲府のではないかしら? そうなのね。」

純平「実は 今日 花子おば様に会ってきました。」

蓮子「そう…。 はなちゃん 元気だった?」

純平「はい。 お母様の事を お願いしてきました。 花子おば様に言われました。 『お母様のためにも 無事に帰ってきなさい』と。 でも 僕は お母様や富士子のために 戦って死ぬなら 悔いはありません。」

蓮子「純平。 親より先に死ぬくらい 親不孝な事は ないのよ。」

純平「お母様 そんな事 言わないで下さい。 どうか 明日は笑顔で 送り出して下さい。」

玄関前

純平「お母様 行ってまいります。 お元気で。」

蓮子「純平! 武運長久を祈っています。」

純平「はい!」

村岡家

書斎

花子「(心の声)『曲がり角を曲がった先に 何があるのかは分からないの。 でも それは きっと…』。」

(空襲警報)

花子「(心の声)『きっと 一番よいものに 違いないと思うの』。」

(空襲警報)

居間

花子「美里! 美里!」

ラジオ・有馬『東部軍管区指令部発表。 22時15分現在 敵機の第1目標は 相模湾より逐次 帝都南西部地区に 侵入するもようであります。 繰り返します』。

美里「お父様は!?」

花子「夜勤で遅くなるの。」

(空襲警報と飛行機のエンジン音)

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