連続テレビ小説「花子とアン」第25回「波乱の大文学会」【第5週】

修和女学校

1909年(明治42年)・4月

<修和女学校では 年に一度の 大きなイベントが近づいておりました。>

教室

富山「今年も 大文学会が近づいてきました。」

畠山「いよいよですわね!」

醍醐「今年は 本科最後の大文学会ですもの。 頑張りましょう!」

一同「ええ!」

富山「出し物を考えておくように 全員参加です。」

一同「はい!」

「どなたを お招きしましょう?」

<大文学会というのは 今で言う 文化祭の事ですが なぜ ここまで 生徒たちが 熱くなるかと申しますと…。>

醍醐「去年は 『リア王』のコーデリアを演じた 桜子先輩が 舞台で見初められて 財閥の御曹司のところに 嫁がれたのよね。」

畠山「ご子息の花嫁候補を探しに わざわざ見に来るお義母様方も いらっしゃるそうよ。」

<…という訳なんでございます。>

畠山「ところで 去年のコーデリアの衣装は すてきでしたわね。」

醍醐「ええ。 衣装は 大事だわ。 演目と配役を早く決めて 舞台映えする衣装を作らなくては。」

はな「衣装か…。」

醍醐「うちは 両親や親戚が 総出で来るって言ってるの。 はなさんのご家族は?」

はな「あっ うちは 遠いから。」

醍醐「そう…。」

畠山「あの方は どうなさるのかしら?」

醍醐「『私には関係ございません』って お顔なさってるけど。」

醍醐「あの! 葉山様のご家族も 大文学会に おいでになりますの?」

蓮子「呼んでみようかしら。 さぞかし 面白い事になるでしょうね。」

醍醐「どういう意味かしら?」

はな「さあ…。」

図書室

竹沢「今年も『リア王』をやるのかしら?」

梅田「ほかのお芝居も やってみたいわ!」

「皆さん 談話室に集合して 相談しましょう!」

「いいですわね! 行きましょう。」

蓮子「あなたは ほかの生徒のように はしゃがないの?」

はな「蓮子さん…。」

蓮子「興味がないの?」

はな「私のうちは 貧しいから 舞台の衣装なんて作れないし 家族も呼びたくても 呼べないんです。」

蓮子「そう…。 そういう人もいるのね。」

回想

蓮子「うちの者たちは 私を やっかい払いするために ここの寄宿舎に入れたんです。」

回想終了

はな「あの… 蓮子さんは…。」

醍醐「はなさん! ここにいらしたの。 皆さん お集まりよ。 早く! お急ぎになって。」

はな「ええ。」

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