連続テレビ小説「花子とアン」第38回「さらば修和女学校」【第7週】

はな「嫌よ! 披露宴なんか行かないわ! おめでとうも 絶対に言わないから!」

蓮子「はなちゃん 怒るか泣くか どっちかにしたら?」

はな「泣いてなんかないわ! 寒くて鼻水が出てきただけ。 蓮様は どうして そんなに 冷静でいられるの? もう会えなくなるかも しれないのに…。」

蓮子「ごきげんよう。」

(ドアが閉まる音)

廊下

はな「蓮様 待って! やっぱり そんな結婚 間違ってるわ! 結婚式なんか すっぽかして どっかに逃げましょう! ねっ? 私もつきあうから! しばらく どっかに隠れるの。 そうだ 山梨のうちは どうかしら?」

蓮子「はなちゃん 何言ってるの? 私が いつ そんな事 頼んだ?」

はな「蓮様が夢を諦めてしまうのは 私 どうしても嫌なんです! 言ってたじゃないですか。 一度でいいから 誰かを心から愛したいって。 蓮様 まだ その方と 巡り会ってないじゃない! 今 結婚したら きっと後悔する。 今なら まだ引き返せるわ。」

蓮子「いい加減にして下さらない!? 子どもじみた友情ごっこは もう飽き飽きしました!」

はな「友情ごっこ…?」

蓮子「まさか 本当に 私と 腹心の友になれたと 思った訳じゃないでしょうね? そもそも 伯爵家で育った私と 山梨の貧しい農家で育った あなたとでは 住む世界が違い過ぎるんです! さようなら。」

はな「蓮様…。」

教室

大倉「さぞかし盛大な ご披露宴でしょうね~。」

梅田「きっと ご招待者は 政界や財界のお偉い方ばかりよ!」

<おやおや つい この間 怖そうな おじ様だとか 新郎の悪口を言っていたのに 随分な変わりようですこと。 いつの時代も 女性は パーティーがお好きですからね。>

畠山「はなさん もちろん いらっしゃるわよね。」

醍醐「お気持ちは 分かるけど みんなで お祝いしてさしあげましょうよ。」

はな「ううん。 私は 着ていく着物もないから…。」

<そして 結婚式の日がやってまいりました。>

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