連続テレビ小説「花子とアン」第55回「乙女よ、大志を抱け!」【第10週】

(鶏の鳴き声)

朝市「おはようごいす。」

周造「ああ おはようごいす。」

朝市「おはよう。」

はな「おはよう。」

朝市「これ うちのおかあが 漬物 漬け過ぎたからって。」

はな「てっ! ありがとう!」

朝市「ほら。」

はな「うわ~ おいしそう! 夜 みんなで頂くさ。 朝市 ほつれてるじゃん。」

朝市「ああ。」

はな「中で直してやる。」

朝市「ありがとう。」

居間

朝市「痛っ!」

はな「てっ! ごめん…。」

朝市「大丈夫 大丈夫。」

はな「大丈夫?」

もも「お姉ちゃん 貸して。」

はな「ああ…。」

もも「出来た。 これで大丈夫ずら。」

朝市「ももちゃん うまいね。」

もも「エヘヘ! これぐらい どうって事ねえだよ。 いつでも やってあげるさ。」

朝市「本当け? ありがとう。」

もも「てっ… て~っ! 痛~…!」

朝市「大丈夫け?」

もも「てっ! 大丈夫。 大丈夫。」

<もしかして ももの好きな人というのは…。>

もも「朝市さん 遅刻するよ! 行ってこうし!」

朝市「行ってきます。 ありがとう。」

尋常小学校

教務室

朝市「ほうか。 北海道か…。」

はな「朝市は どう思う?」

朝市「どうって… ももちゃんが ほんな遠いとこに 嫁いじまったら めったに会えねえじゃん。 寂しくなるな…。」

はな「寂しくなる? ほうけ。」

本多「ももは わしも 受け持った事があるけんど 素直でいいボコじゃん。 もう嫁に行く年になったのか…。」

緑川「妹に先越されそうで 焦ってるだけ。 20代も半ばんなって 素直の『す』の字もねえ おなごの 貰えては いねえ。 もう諦めろし。」

はな「私の事は いいです。」

安東家

居間

はな「朝市に縁談の話したら ももが北海道に嫁いじまったら 寂しくなるなって言ってただよ。」

もも「朝市さんが? 本当に?」

はな「うん。」

<やっぱり ももが好きなのは 朝市に間違いないと はなは 思いました。>

吉平「何で 朝市が ももの縁談に 口ょう挟むだ。 森田君は 本当にいいやつだから 一緒になれば 必ず ももは幸せになれるだ。」

はな「おとう。 もっと ももの気持ち 考えてやれし。 おら ももが赤ん坊の頃から 子守りしてきた。 おしめ替えて 背中におんぶして 一緒に学校にも通った。 おとうや おかあに 負けねえぐれえ おら ももの事が かわいくて たまらん。 ふんだから ももが好きな人と 幸せになってくれる事が 一番だと思う。」

もも「お姉やん…。」

周造「そうさな。」

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