連続テレビ小説「花子とアン」第67回「銀座のカフェーで会いましょう」【第12週】

聡文堂

<さあ はなの出勤1日目です。>

はな「ごきげんよう。」

醍醐「はなさん!」

はな「醍醐さん ごきげんよう。」

醍醐「首を長くして待っていたのよ。」

梶原「いや~ 安東君! 来たか。」

はな「梶原編集長 また お世話になります。 よろしくお願いします!」

梶原「今日から働いてもらう安東君だ。」

はな「よろしくお願いします!」

一同「よろしく!」

梶原「我々の目標となる『赤い鳥』には 芥川龍之介 有島武郎 泉 鏡花などといった 名だたる作家が寄稿している。 うちの創刊号も それに匹敵するような作家を 引っ張ってこよう。」

須藤「そうですね。」

「はい!」

梶原「そして この聡文堂の顔になるような 新しい児童雑誌を作るんだ。 安東君。 君も 小学校の 教員をしていた経験を踏まえて 自由に意見を出してくれ。」

はな「はい。」

醍醐「物語だけじゃなくて 子どもたちが わくわくするような記事も 載せましょうよ。」

梶原「例えば どんな?」

醍醐「毎号 最新のおリボンやお帽子の 記事なんかも入れたいですね。」

三田「この雑誌を手に取る読者が リボンの記事なんか喜びますかね。」

はな「あ… あの… 子どもたちの作文を 投稿してもらったら どうでしょうか?」

三田「間違ってもらっては 困る。 児童向けといっても 大人が読むに堪える小説や詩を 載せるべきだと 私は思いますね。 まあ この雑誌に必要なのは あくまで芸術性だ。」

須藤「僕も 三田君に賛成です。」

三田「まず 宇田川先生の交渉を 継続しましょう。」

須藤「交渉は やっぱり 醍醐君ですかね。」

醍醐「私ですか?」

<結局 はなは ひと言しか発言できず それも あっさり却下されてしまいました。>

カフェー・ドミンゴ

梶原「今日の主役は 安東君だ。 ようこそ 聡文堂へ。」

はな「あっ あの… 私 お酒は ちょっと。」

梶原「そっか… 作家の先生たちは 酒好きも多いから 飲めるようにならないと大変だよ。」

醍醐「はなさん ブドウ酒じゃないんだから 大丈夫よ。」

須藤「編集者は 飲むのも仕事のうち!」

三田「そうだよ。」

はな「では 少しだけ。」

梶原「では 新しい仲間を歓迎して乾杯!」

一同「乾杯!」

はな「おいしい! このお酒 おいしいですね!」

梶原「ウイスキー 気に入った? 西洋のね 焼酎みたいなものだ。」

はな「へえ~。」

かよ「お姉やん ほれ 強えよ。 大丈夫?」

はな「ブドウ酒じゃねえから大丈夫だ。 くあ~! あ~ おいしい! もう一杯!」

<ちょっと まずい予感が致します。>

はな「西洋の焼酎 もう一杯下さ~い!」

梶原「それくらいにしといたら?」

はな「編集長。 まだ3杯目ですよ 3杯目!」

醍醐「3杯で酔っちゃうなんて はなさんって そもそも お酒が強くなかったのね。」

はな「まだ酔ってませんってば!」

梶原「安東君…。」

はな「あ~!」

かよ「お姉やん 送ってくから もう帰ろう。」

はな「まだまだ 夜は これっからじゃんね! 先輩。」

三田「先輩?」

かよ「姉のために 歓迎会を ありがとうございました。 お姉やん! 大丈夫? あっ お姉やん!」

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