はな「あ… えっと… あ… 同じものを。」
かよ「はい。」
嘉納「遠慮せんでよか。 酒でん飯でん 好きなもんを頼め。」
はな「あ… いえ 見ず知らずの方に ごちそうになる訳には…。」
嘉納「嘉納伝助ばい。」
はな「てっ! 蓮子さんのご主人の!?」
嘉納「こないだは うちのが泊めてもろて 世話になったね。 こら そのお礼たい。」
はな「こんなに頂けません!」
嘉納「よかとちゃ。 うちのが ものすご楽しかったち 話しよったばい。 あげん 機嫌のよか蓮子は 初めて見たき。 そのお礼たい。 それに どうせ 今日もまた 世話になるきね。」
はな「今日?」
嘉納「いや あんたと会うっち聞いて こっちへ来るついでがあったき 迎えに来たとばい。」
はな「蓮子さんが そう おっしゃったんですか?」
嘉納「今日 こん店で はなちゃんと会うち…。」
はな「あ…。」
<はなは 頭の中が 真っ白になってしまいました。 蓮子は ご主人に なぜ そんな嘘をついたのでしょう?>
屋台
<蓮子が会っていたのは はなではなかったのです。>
蓮子「乾杯。」
<危険な薫りが致します。 ごきげんよう。 さようなら。>