連続テレビ小説「花子とアン」第86回「最高のクリスマス」【第15週】

平祐「それは 困る! 毎日 会社に来られて 居座られでもしたら仕事にならん。 はあ… 私から 英治に言っておこう。」

はな「本当ですか?」

醍醐「ありがとうございます。」

はな「ありがとうございます。 私 早速 宇田川先生に 電話してくるわ。」

醍醐「ええ。」

平祐「君のお姉やん よく頑張ってるからね。 ごちそうさま。」

かよ「ありがとうございます。」

醍醐「ありがとうございました。」

武「美しい…。」

かよ「醍醐さんは 社長令嬢だから 相手にされっこねえよ。」

武「てっ 社長令嬢け。 地主のおらに ますます ぴったりじゃん。 醍醐さん。」

<武。 その人は無理。 無理 無理!>

村岡印刷

英治「お帰りなさい。」

平祐「『銀河の乙女』の挿絵 お前が描け。」

英治「えっ? 何ですか いきなり。」

平祐「作家の お前に描いてほしいと 言ってるそうじゃないか。」

英治「いや でも ほかに仕事もありますし…。」

平祐「もう引き受けてしまった。 社長命令だ。」

英治「父さん。」

平祐「引き受けた以上 よい本にしろ。」

翌日

(ノック)

醍醐「おはようございます。」

はな「ごきげんよう。 聡文堂です。」

郁弥「あれ? お二人とも 今日は何ですか?」

はな「早速 挿絵の打ち合わせに 参りました。」

郁弥「えっ…。」

英治「どうぞ こちらへ。」

はな「失礼します。」

はな「ここと ここ。 それから ここに 挿絵を挿入したいと考えています。」

英治「どんな挿絵にしましょうか?」

はな「物語を読んで感じたままを 自由に描いて下さい。」

英治「自由にですか…。」

醍醐「はなさんのページと同じ要領で 描いて下されば結構ですから。」

はな「あと 1枚だけ 宇田川先生の強い希望があります。」

英治「はい。」

はな「え~っと… ここ。 ここの部分に 主人公 ルカの絵を 入れたいとの事です。」

英治「すいません。 先生は どのようなルカを 想像されてるんでしょうか?」

はな「村岡さんが物語を読んだ印象で 自由に描いて下さいとの事です。」

英治「素人にとっては それが一番 難しいですね…。」

醍醐「心配いりませんわ。 私たち いくらでも相談に乗りますし。」

はな「ええ。 先生 村岡さんの絵を 楽しみにしてますよ。」

英治「はあ… 分かりました。」

2人「よろしくお願いします。」

郁弥「ただいま戻りました。」

英治「お帰り。」

郁弥「兄さん その挿絵 どうして引き受けたの?」

英治「えっ? いや… 父さんが勝手に 引き受けてきちゃったんだよ。」

郁弥「それなら 兄さんから 断ったらいいじゃないか。」

英治「そういう訳にもいかないだろ。 社長命令なんだから。」

郁弥「安東さんの頼みだから 引き受けたんじゃないの?」

英治「急に どうしたんだよ? 郁弥。」

郁弥「いや… 何でもない。 邪魔して ごめん。」

英治「ちょっと… 出てくる。」

(ドアが閉まる音)

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