<これは 亡くなった香澄さんのカメオ…。 どうして 彼が持っているのでしょう? 何か秘密がありそうです。>
カフェー・ドミンゴ
蓮子「はなちゃん こっちよ。」
はな「蓮様! お待たせして ごめんなさい。」
蓮子「ううん。」
かよ「朝市と武なら いねえよ。 ほかのカフェー教えてやったら ようやく いなくなってくれたさ。」
はな「あっ コーヒーお願い。」
かよ「はい。」
蓮子「朝市君って はなちゃんの幼なじみの? 東京にいらしてるの?」
はな「ええ そうなの。」
蓮子「甲府で一緒に釣りをしたのが 懐かしいわ。」
はな「蓮様… 今日は 一段ときれい。」
蓮子「まあ… うれしい。」
<恋する女は 美しいのです。 たとえ それが許されない恋でも。」
はな「ねえ。 頂いたお手紙に 『会わせたい人がいる』って 書いてあったけれど。」
蓮子「そうなの。 実は 今日 彼も ここに呼んでいるの。」
はな「てっ… えっ 彼って もしかして 帝大生の?」
蓮子「そう。 もうすぐ来るわ。」
はな「『もうすぐ来るわ』って… だって ご主人は? 一緒に 東京にいらしてるんでしょう?」
蓮子「あの人は 今頃 新橋で芸者を揚げて遊んでるわよ。」
はな「だからって 蓮様… いけない事よ。」
蓮子「はなちゃん そんな怖い顔しないで。」
はな「だって… いけないわ。」
(ドアベル)
かよ「いらっしゃいませ。」
嘉納「おお はなちゃん! 久しぶりやね。」
蓮子「あなた…。」
嘉納「サイダー 飲みよるか?」
はな「あ… いえ…。」
<修羅場の予感が致します。 ごきげんよう。 さようなら。>