連続テレビ小説「花子とアン」第87回「最高のクリスマス」【第15週】

嘉納「何か? 俺が ここにおったら いかんとか?」

蓮子「そういう訳では…。」

はな「今日は 思いがけず ご主人に お目にかかれて よかったです。」

嘉納「ああ。 俺もたい。 あんたとは 気が合いそうやきね。 さあ 早よ 酒 持ってきちゃってん。」

かよ「てっ! こ… こんなに たくさん…。」

嘉納「よかよか!」

かよ「ありがとうございます! すぐに!」

嘉納「あんたたちも これで一杯やんなさい!」

女給「ありがとうございます!」

嘉納「皆さんも どうぞ!」

「ありがとうございます!」

「ごちそうさまです!」

嘉納「どうぞ どうぞ! ハッハッハッハ!」

(机をたたく音)

(ドアが閉まる音)

嘉納「ん? どげしたとか?」

かよ「さあ! 乾杯しましょう!」

嘉納「おお… おう! 乾杯じゃ!」

はな「ほら 蓮様も。」

嘉納「では 乾杯!」

一同「乾杯!」

「頂きます!」

「頂きます!」

かよ宅

居間

はな「蓮様。 私… 今夜 ご主人がいらして下さって よかったと思ってる。」

蓮子「どうして? お金もうけの話ばかり聞かされて うんざりしたでしょう?」

はな「ううん。 嘉納さんって 今は すごく お金持ちだけど 子どもの頃は 貧しくて苦労なさった方なんじゃ ないかしら。」

蓮子「確かに 昔は 苦労したらしいけど…。」

かよ「ほれに 優しい人じゃん。 たくさんチップ 頂いちまって… 本当にありがたい事です。」

はな「蓮様… もう帝大生の方とは 会わない方がいいんじゃなくて?」

蓮子「それは 無理…。 今 この瞬間も 会いたいんですもの。」

はな「蓮様…。 言ってたじゃない。 『道ならぬ恋なんて 愚かな事は しない』って。」

蓮子「あの人を思う気持ちを 止められないの。 もう 恋に落ちてしまったんですもの。」

はな「そんな… ご主人を裏切っては駄目!」

蓮子「はなちゃん。 たとえ誰を傷つけても 私は この思いを貫くわ。 やっと分かったの。 私が この世に生まれて 今まで生きてきたのは 彼と巡り会うためだったの。 はなちゃんなら分かるでしょう? はなちゃんも 村岡さんの事を そう感じたから 好きになったんでしょう?」

はな「そんな事…。 そりゃあ ちょっとは パルピテーションを感じてしまった瞬間は あったけれど そんなのは とっくに昔の話よ。」

蓮子「村岡さんは 花ちゃんにとって たった一人の巡り会うべき人じゃ なかったのかしら。 私の思い過ごし?」

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