はな「おら ただ 好きな本が思いっきし 読みたくて ここへ来ただよ。 何で こんな目に遭わなくちゃ…。」
ブラックバーン『黙りなさい!』
はな「もう勘弁してくりょう!」
ブラックバーン『ベッドに行きなさい!』
<『ゴー トゥ ベッド』というのは ブラックバーン校長の 最大級のお仕置きです。>
寄宿舎
茂木「ブラックバーン校長のお許しが 出ない限り 食事は 頂けません。 目をつぶって 心を落ち着けて 一人でよく反省して下さい。>
はな「はい…。」
回想
「待ってくりょう!」
「はな!」
「待てし!」
「はな!」
回想終了
はな「みんな どうしてるら…。 会いてえなあ…。」
安東家
居間
「はい。 安東ふじさんに郵便ずら。」
ふじ「ああ… どこからって書えてありやすか?」
「ここに 安東花子って書えてあるずら。」
周造「てっ! はなから!」
「ふんじゃ。」
ふじ「ありがとごいす! はあ~! フフフフ。」
朝市「こんちは!」
ふじ「ああ 朝市! うまいとこ来たじゃん。 うちの人 行商行ってるから おまん これ 読んでくれちゃ。」
朝市「はなから? ほれじゃあ 読みます。 『おかあ おとう おじぃやん 兄やん かよ もも。 元気け? おらは 元気です。 毎日 食った事もねえような ごちそう食って 元気でやってるだよ』。」
かよ「毎日 ごちそう いいなあ。」
もも「いいなあ。」
朝市「『だから 心配しなんでくりょう。 みんなも お元気で。 元気な花子より』。 おしまい!」
ふじ「『元気 元気』って 随分と 元気の数が多くねえだか?」
周造「そうさな。」
修和女学校
給湯室
スコット『お茶の時間にしましょう』
富山「スコット先生が クッキーを焼いて下さいましたよ。」
(歓声)
醍醐「はなさん。 召し上がらないの?」
はな「あっ ありがとう。 甘い…。」
醍醐「さすが本場の味ね。」
はな「こんな うめえもん うちのみんなに 食わしてやれたらな…。」
茂木「醍醐さん。 あっ。 ロンドンのご両親から お手紙よ。」
醍醐「ありがとうございます。」
茂木「あっ 安東さんも。 甲府から。」
はな「てっ! おかあ!」
寄宿舎
ふじ『はな。 お便り ありがとね。 おかあは 字が分からんから この返事は 朝市に書えてもらいます』。