村岡印刷
英治「おっ お帰り。」
郁弥「挿絵 講評だったよ。」
英治「そうか。」
郁弥「これ… 義姉さんから預かってたんだ。 ごめん。 もっと早く渡すべきだった…。」
英治「どういう事だ?」
回想
(セミの声)
香澄「あの人 優しいから 私の事 引きずって 独りぼっちで生きていこうと するかもしれないじゃない? それだと 私 安心して天国にも行けないわ。 フフッ…。 英治さんに伝えて。 私が死んだら もう 私に縛られないで 誰かと一緒に生きていってほしい。」
郁弥「これは…?」
香澄「結婚式の時にお義母様から頂いた 形見のカメオ。 これを その人に渡してほしいの。 英治さん きっと… もう その人に会ってるわ。」
回想終了
郁弥「俺は 許せなかったけど… 義姉さんは 兄さんの事 もっと深く愛してたんだな…。」
嘉納邸
<一方 福岡に戻った蓮子は 居ても立ってもいられないほど 龍一の手紙を 待ちわびておりました。>
蓮子の部屋
(足音)
回想
龍一「待てよ! 待ってくれ…。 行かないでくれよ!」
回想終了
すず「奥様! 来ました!」
蓮子「ありがとう!」