連続テレビ小説「花子とアン」第99回「腹心の友ふたたび」【第17週】

龍一宅

花子「ここだわ。」

英治「あっ 僕が。」

花子「ああ… ええ。」

英治「ごめんください。」

蓮子「どちら様ですか?」

花子「蓮様? 私よ。 蓮様? 蓮様! 入るわよ。 蓮様…。」

逃げ出す蓮子

花子「英治さん!」

蓮子「どうして ここが分かったの?」

花子「それは 言えないけど… すごく心配したのよ。 私の顔見て逃げるなんて ひどいわ。」

蓮子「私は 二度と はなちゃんに 会うつもりは なかったわ。 会わす顔 ないもの。」

英治「花子に会いに行くと言って ご主人の前から いなくなったそうですね。」

蓮子「ええ。」

花子「子どもが生まれたら 顔を 見に来てくれるって言ったのも あれも 全部 嘘だったの?」

蓮子「そうよ。 駆け落ちの計画を周到に立てて あなたを利用したの。」

英治「あの… いくら何でも それは ひどいんじゃないですか? 花子は あなたが失踪してから 心配で夜も眠れなかったんですよ。 今頃 どこで どうしてるのかって 家族みたいに心配してたんですよ。」

蓮子「ご迷惑おかけしました。 こんな私とは もう関わらない方がいいわ。 お帰り下さい。」

英治「分かりました。 帰ろう。」

花子「いいえ。 私 帰らないわ。 ちょっと 2人にして。」

(戸が閉まる音)

花子「蓮様…。 私 今 すごく怒ってる。」

蓮子「道ならぬ恋は やめろと はなちゃん ず~っと言ってたものね。 こんな騒ぎを起こした私を 軽蔑した?」

花子「軽蔑なんて…。」

蓮子「でも 怒っているんでしょう?」

花子「ええ。 これ以上 怒った事がないっていうぐらい 怒ってるわ。 10年前… 蓮様が 石炭王の嘉納さんのところへ 嫁ぐって知った時も 私 泣いて怒ってたわよね。 子どもだったの。 あの時 蓮様の本当の気持ちが 分からなかった。」

花子「でも 私も英治さんと恋愛して 苦しい思いも たくさん知ったの。 やめなきゃって 頭で分かっていても 引き返せない恋愛が あるっていう事も 今なら分かるわ。 蓮様… 今 初めて 正直に 生きようとしてるんでしょう?」

蓮子「はなちゃん… 私ね 人を愛するって どういう事か 初めて知ったの。 あふれ出てくるの。 どんどん…。 それを あの人に分けてあげたいの。 ほかには 何も望まないわ。 身分も何もかも捨てて… あの人と生きていきたいの。」

花子「ねえ 蓮様。 これ 覚えてる?」

蓮子「修和の庭で書いた しおり…。 こんなの まだ持ってたの?」

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