里や
純「あ セクシーさん。 お父ちゃん! 何やってるの こんなところで?」
善行「うん いや おかあちゃん どや? 変わったことないか?」
純「なに 吞気なこと 言ってんのよ。 ウチにいるから 早く帰ろう。」
善行「いやいやいや。」
純「え?」
善行「うう 怖いんや。」
純「え?」
善行「またな おかあちゃん 怒ってな しらーっとした顔してな あなた誰ですか? 言われたら 俺もう 怖いんや。」
純「お父ちゃん 情けないこと言わないでさ この前 ほら お父ちゃん決心したでしょ お母ちゃんと一緒に生きていくって。」
善行「いや。 あれが 精一杯や もう あれ以上のことは 俺には言えん。」
純「言ったでしょ お父ちゃんには 愛が沢山詰まってるって。」
善行「もう消えとるは いいや いいや いいな 俺が悪いんや なあ。 お母ちゃんも俺みたいな人と結婚せえへんかったら あんな 病気になることもなかったんや せやけどな 俺もな なりとうて こんな男になったと違う なんというか こう方角が悪いというか 運が悪いというか やり直そうと思うて 1歩踏み出すと 1歩目で 躓くねん。」
純「お父ちゃん そんなこと 言わないでさ。 お父ちゃんにも未来があるんだから これから お父ちゃんが なりたかった男になるように頑張っても いいじゃん。」
善行「それは お前 お前が若いから そんなこと言えんねん。 人間は1人で生まれてきて1人で死んでいくんや これな お前から お母ちゃんに 渡しといてくれ。」
おじぃ なんか くやしいよ なさけないよ。
純「好きにすれば? はい。 お母ちゃんのサイン書いてあるから。 お父ちゃんがそこにサインしたら それで役所に持っていけば お望み通り 離婚出来るから。」
私は こんなこと 言いたくないのに
純「その代わり 2度と現れないで 私達の前に」