晴海の病室
(ノック)
晴海「はい。」
正「母さん。」
晴海「どうしたの? みんな揃って?」
純「実はね お母ちゃん。」
晴海「退院したら みんなで久しぶりにピクニックいかないね? ね 正?」
正「え? ああ。」
剛「どうしたの お母ちゃん 急に?」
晴海「思い出した この前おとうさん みんなでどっか 行こうって 言った時 明日きっと晴れるからって。 純。」
純「うん?」
晴海「おとうさんは?」
純「あの…。」
晴海「あんた 何か隠してるでしょ?」
純「あのね。」
晴海「わかってるよ おとうさん 家出して 雲隠れしてるんでしょ?」
正「そう そう そうなんだよ。」
晴海「ねえ 勇気。」
マリヤ「そうですね お義母さん。」
晴海「ああ 勇気。」
廊下
正「やっぱり 母さんには しばらく言わないでおこう。 父さんが死んだって知ったら 母さん どうなるか わからないしさ。」
純「でも…。」
数日後
里や
食堂
正「皆さん 今日はありがとうございました。」
純「ありがとうございました。」
サト「ああ 堅苦しいのはいいから みんなで飲もうよ。」
志道「うん そうそう。」
サト「セニョール 準備しようよ。」
志道「ほらほら。」
玄関前
剛「誠ちゃん。 お願いがあるんだけどさ。」
誠「何?」
剛「また ビンタしてくれないかな? 俺なんも出来ないから。 家族の役にたちたいのに 本当どうしようもないよ。」
誠「私そうは思わへん。 あんたに出来んことが なんぼでもある ううん あんたにしか出来ないことが 必ずある メソメソせんと とりあえず笑っとき あんたの 取り柄は そのアホみたいな笑顔しかないんやから。」
剛「わかった。」