純宅
純「なんで あんなこと言うんだろ あの人? こなったら 水田さんたちに絶対幸せになってもらわないと。 ほかになにか出来ることないかな。」
愛「純さん。」
純「うん?」
愛「気持ちはわかりますけど あまり深入りしない方が…。」
純「もしかして 本性でも見えた? 2人の?」
愛「いや 最近はほとんど見えないんで。」
純「じゃあ なんで?」
愛「直感ていうか? きっかけはもう作ったんだから もう2人に任せた方が…。」
純「そうかな?」
晴海「純?」
純「うん?」
晴海「おとうさんは?」
純「え?」
晴海「おとうさんは どこに行ったんだった?」
純「あ うん…。」
気持ちをほかに持って行った方がいいんだよね たしか。
純「そうだ お母ちゃん あのさ 明日にでも また里やに行かない? 私ね 里やで あなたの”と”の人見つけませんかってサービス始めてね 今 ウマくいきそうなカップルが1組いるの。」
晴海「純 かわいそうね。」
純「え?」
晴海「元気出しなさいよ。」
純「え? いやいや 私 元気だよ。」
晴海「よく頑張ったね 我慢しないで泣けばいいさ。」
里や
リビングルーム
純「お待たせしました 本日のスープになります。 あ この絵本面白いですよね 私も大好きなんですよ。 どうぞごゆっくり。 どうもー。」
扉がひらく
多恵子「ああ あー なんか ほっとするわね 座った瞬間。 ふう。」
純「ああ お義母さん 今日はどうしたんですか?」
多恵子「仕事で疲れた お宅のゴッドハンドマッサージ すぐ入れる?」
純「あ 多分大丈夫だと思います。 あ そうだ あの これ 女将さんから 預かってます。 毎月少しづつだけど ちゃんと返すからって。」
多恵子「期待しているわ。 で おかあさんの具合どう?」
純「なんか 最近 表情が無くなっているような気がするっていうか…。」
多恵子「なんとか おかあさんを笑顔にして 言葉や思い出を失うのを少しでも 遅くしたけど どうしたら いいのかわからない。」
純「あの もしかして なんか今わかっちゃいました?」
多恵子「そのくらい 誰だってわかるわよ。」
純「あの ちなみに 今 私 どう見えています?」
多恵子「別にいいんじゃない? そのままで?」
純「ああ よかった。」
多恵子「あの子も張り切っているみたいね。」
純「はい。」
多恵子「あんな姿見たの いつ以来かしら。」
玄関前
火野「あの。」
純「あ。」
火野「ちょっと いいですか? 実は 水田さんが 今日チェックアウトするって 言ってるんですけど 連絡先教えてくれなくて。」
純「連絡先?」
火野「いや あの どうしたら いいでしょう?」
純「火野さんは 本当に彼のことが好きなんですね?」
火野「はい。」
純「わかりました。」