病院
病室
純「ねえ 愛君 最近ね お母ちゃんがさ 私が10歳の頃に宮古に引っ越した時と同じ青いワンピースずっと着てんのよ。 あの頃の お母ちゃんに戻っちゃってるのかな? ねえ どう思う?」
純「ごめんね 心配かけるようなこと 言って。 あ そうだ ねえ 今日ね 勇気がハイハイしたの 初めてだよ ハイハイしたの お姉ちゃんもお兄ちゃんも超喜んでてさ メチャクチャかわいかったの 勇気。」
純「ねえ 愛君 私たちもさ 子供作っておけばよかったね。 魔法の国を作るまでは我慢するとか言わなかったら 今頃 愛君の子供に会えてたかもしれないのに。」
微かに愛の手が握り返す
純「愛君?」
こうやって こっちの手を握り返す度に 今度こそと思うのに やっぱり愛君は 眠ったままだ。
純「愛君 私 諦めないからね。 愛君が目を覚ましてくれるなら どんなことでもしてみせる。 よし 次は 指の運動だよ。 1 2 1 2…」